桑潟幸一准教授のスタイリッシュな生活

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  • サイズ B6判/ページ数 365p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163804606
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

その日暮らしの気安さに下流生活に甘んじる大学教師・クワコーの周辺で起こる怪事件に文芸部の女子大生たちが挑むユーモア・ミステリー。

内容説明

日本一下流の大学教師は今日もまた自虐の詩をうたう。

著者等紹介

奥泉光[オクイズミヒカル]
1956年、山形県生まれ。国際基督教大学卒業。93年、『ノヴァーリスの引用』で野間文芸新人賞、94年「石の来歴」で第一一〇回芥川賞、2009年『神器』で野間文芸賞を受賞。現在、近畿大学国際人文科学研究所教授。また積極的に音楽活動を行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

absinthe

192
クワコーである。あの11万とんで350円の男である。大学准教授ともあろうものが手取りそれだけなのか?それだけなんである。とにかくおバカで小心者。権力欲むき出しの学科長に引き抜かれて御しやすい馬鹿で本当に良かったと自分を褒める男、生まれながらに低さが身についてしまった男。それがクワコー。クワコーが小さな難事件に挑むのだが、解決するのは決まって自分ではないという情けなさ。とにかく面白いんである。2021/04/13

とら

156
最近”表紙がイラストで描かれていて、内容は軽いミステリー”で出来ている作品が流行っているけれど、今まで読んできたそういう系列の作品の中では一番面白かった。こういう系列の作品ではミステリー要素はあってないようなものなので、キャラクターとかの掛け合いを見るのだけれど、何よりこの作品は文体が面白い。正直好き嫌いは分かれるだろうけど個人的には好き。新しい単語が出てくると太文字に、そして一人で勝手に自虐的になるクワコー。文芸部の面々。まあ、スタイリッシュでも何でも無かったけど!あっという間だった。まだ読み足りない!2013/02/24

ひめありす@灯れ松明の火

140
分かってはいたけれど、やっぱり表紙詐欺だ~!!この「ずっと研究一筋三十代前半(ただし愛妻家)この度講師から准教授に色々あって昇進。学内を赤いママチャリでふらふらしながら起きてる事件(たまに警察沙汰)を解決していく。学生達には寝癖ヘアーでいじられ中。校内の野良猫がお友達」みたいなワカモノは一体どこへ行ってしまったの~??外に出やしねえ。何処へ行っても大学生って似た様に馬鹿なんだけど、先生達もこんなゆるーいものなのかしら(心当たりはある)でもね、やっぱり太字はいらないと思うんだ。テストに出る訳じゃないんだから2012/08/21

kishikan

120
奥泉さん初読み、って思っていたら、そうだ「プラトン学園」を読んでいた。あまりにもスタイルが違うので、別人かと思ってたけど、よーく考えて(じっくり読んで)みたら、この桑潟准教授も滅茶苦茶凝った作りなのですね。一見(一読)馬鹿馬鹿しくいらいらするクワコーの性格、これ小説としての設定キャラなんですが、やはりイラつく! だけど、だけど、きっと計算されてるって感じ。だから、ホームレス女子大生「ジンジン」の名探偵ぶりが、光るんですね。楽しい・最高!あと、文章中のゴシック文字は何の意味なんだろう、誰か教えて・・・。2011/08/15

みのゆかパパ@ぼちぼち読んでます

114
グダグダな大学准教授“クワコー”こと桑潟幸一を主人公にした連作短編ミステリーではあるのだが、事件の謎を解くのは彼が顧問を務める文芸部の面々だし、そもそも大半はクワコーのトホホな日常と妄想なので、なまじっかミステリー的なものを求めて手に取ると「なんじゃこりゃ」と思うこと間違いなし。しかし、読み進めていくうちに、クワコーの情けなさっぷりがクセになり、あろうことか楽しくてウキウキしてしまったのだから恐ろしい。好みが分かれること必至だと思うが、個人的にはこれはアリ。それどころか、続きを読みたい気分満々ですらある。2013/11/04

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