移行化石の発見

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  • サイズ B6判/ページ数 428,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163739700
  • NDC分類 457
  • Cコード C0098

出版社内容情報

陸に棲んでいたクジラ、羽毛に覆われた恐竜──ダーウィンが見つけ得なかった進化途上の「移行化石」が、いま次々と発見されている。

ヒレから指へ、腕から羽へ―ダーウィンが見つけ得なかった「中間形態の化石」が、いま次々と発見されている。

ダーウィンが「種の起源」で始めて進化論を唱えたとき、もっとも有力な反証となったのは、化石として出土した古代の動物と現世の動物とをつなぐ、「移行期の種」の化石がみつかっていないことであり、それは「ミッシング・リング」(失われた鎖)と呼ばれた。
だが1980年代以降、とりわけ21世紀に入ってから、クジラ、鳥、ゾウなど様々な動物について、
「移行化石」が相次いで発見されている。さらにDNAやタンパク質の解析といった最先端技術の太助を借り、魚のヒレが両生類の四肢に進化したとと、恐竜の皮膚が鳥の羽毛に進化したところなども証明された。
さらに人類は、サルから猿人、そしてヒトへと直線的に進化してきたと長い間考えられてきた。しかし、ここ十年における人類化石の新発見によって、数百万年前にはホモ・エレクトゥスやホモ・ハビリスなど数多くのヒト族が共存していたことがわかっている。つまり、われわれホモ・サピエンスは、その中のあるグループの子孫に過ぎないのだ。

サイエンス・ライター。タトガース大学卒。ニュージャージー州立博物館の助手として化石の発掘に従事するかたわら、「ワイード」のサイエンスブログやスミソニアン博物館の公式ブログで連載しているほか、「タイムズ」誌などに進化論、古生物学についての記事を執筆している。本書が始めての著書。

内容説明

ダーウィンが『種の起源』で進化論を提唱したとき、もっとも有力な反証となったのは、化石として出土している古代の動物と現生の動物とをつなぐ、「移行期の種」の化石がみつかっていないことであり、それは「ミッシング・リンク」(失われた鎖)と呼ばれた。だが1980年代以降、とりわけ21世紀に入ってから、クジラ、鳥、ゾウなど様々な動物について、「移行化石」が相次いで発見されている―。

目次

序章 「ザ・リンク」はリンクではなかった
第1章 化石と聖書
第2章 ダーウィンが提示できなかった証拠
第3章 ヒレから指へ
第4章 羽毛を生やした恐竜
第5章 哺乳類はどこから来たのか
第6章 陸に棲むクジラ
第7章 百象争鳴
第8章 ウマはなぜウマ面なのか
第9章 ネアンデルタールが隣人だった頃
終章 進化は必然か偶然か

著者等紹介

スウィーテク,ブライアン[スウィーテク,ブライアン][Switek,Brian]
サイエンス・ライター。ラトガーズ大学卒。同大在学中、教育実習で小学生に進化論を教えようとしたのを校長に止められたことで、進化生物学を志す。現在はニュージャージー州立博物館の助手として化石の発掘に従事するかたわら、ウェブマガジン『ワイアード・サイエンス』内でブログ「ラエラプス」を、スミソニアン博物館のウェブマガジンでブログ「ダイナソー・トラッキング」を連載、また「タイムズ」紙などに進化論や古生物学についての記事を執筆している

野中香方子[ノナカキョウコ]
翻訳家。お茶の水女子大学文教育学部卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヨクト

23
いろんな動物がいる。だが、その動物の祖先を辿ると意外な生物に繋がっているかもしれない。ミッシングリンク、進化は突然起きるわけではない。少しずつ遺伝子が変化していく中で、そこには色のグラデーションのように数えきれない名も無き進化が存在したはずだ。移行化石の発見はダーウィニズムを証明する。羽も指もヒレも、恐竜も鳥も人も、それぞれが偶然が生み出した奇跡の産物。そして人間が特別な存在というわけではない。いろんな生物と兄弟なんだよね。2014/03/20

姉勤

22
移行化石の発見。それは本書で語られる生物進化史の現在進行形の常態。そこに至るまでの先人の知識と化石そのもの蒐集、蓄積、分類、仮定、解析、回答のトライ&エラーと、最大の壁たる聖書との葛藤がテーマとなる。魚のヒレから四肢への変化、恐竜から鳥へ、特徴ある馬の蹄と象の鼻、クジラの先祖、そして平行して存在した亞人類。興味があるジャンルなので既知の情報も多かったが、熱心な化石の研究の嚆矢は、キリスト教の聖職者だったことは興味深い。聖書と矛盾する現実をどう咀嚼していくか前半のキモ。そこに宗教対立へのヒントがあると思う。2015/01/10

yooou

10
☆☆☆★★ うーむ。アミール・D・アクゼルの「神父と頭蓋骨」とか、アンドリュー・パーカーの「眼の誕生」とか、クローディーヌ・コーエンの「マンモスの運命」とかご本家ニール・シュービンの「ヒトのなかの魚、魚のなかのヒト」を経てここに来たわたしとしては何を読まされているのか作者の意図も方向感も掴みきれずかなり彷徨いました。もう少し話は整理できたと思うけどもなー。2012/03/05

tom

5
進化論のお勉強。とても分かりやすくて、かつ、面白い。今ある私たちの身体は偶然から生まれ出たものであり、もし、原初のときからやり直してみても、私たちの身体が現れ出るわけではない。だから生き物は、それぞれが唯一無二のものなのだというのが要約。なるほど、そうだったのかと納得の説明。こういう本を書くことができる人はすごいです。2012/02/09

nemunomori

4
ドラマチックな構成が楽しかった。ダーウィンをはじめとする博物学者たちの人間味溢れる描き方も生き生きとして、門外漢を最後まで飽きさせません。博物館に行きたくなります。 2013/01/11

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