出版社内容情報
「権威の象徴でもあった文学」について、さらに「新しい小説」なんてものがあるとしたら……? 日本文学史上初の根源的小説論第2弾。
内容説明
志賀直哉から綿矢りさまで…刺激的かつ根源的文学論の第二弾。
目次
全文引用
前回に引き続き
『夜露死苦現代詩』、乱入する
「権威の象徴でもあった文学」について
「緊張」はあった方がいい
「凡庸なものたち」の運命にこそ深い関心を払わねばならない
これ以上、書く気になれない
143頁と144頁の間に
人間はチンポであり、まんこなんです
それがなにであれ、なにかを始めることは難しい〔ほか〕
著者等紹介
高橋源一郎[タカハシゲンイチロウ]
1951年1月1日広島県生まれ。81年『さようなら、ギャングたち』で第四回群像新人長篇小説賞優秀賞受賞し、デビュー。88年『優雅で感傷的な日本野球』で第一回三島由紀夫賞を、2002年『日本文学盛衰史』で第十三回伊藤整文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ふみ
41
不遜な読者である私は読みの精度ってそこまで上げなきゃダメなの?と始終ツッコミを入れながら。だいたい伊藤さんの月経は伊藤さんの月経でこの経血が他人の経血だったらなんでこんなに痛いのよ!今してるうんこが実は隣のおじさんのうんこだった、て同じくらい不条理じゃん。はじまりの起源なんてどうでもいいし、考えたくもない。とか言いながら引用書籍を片っ端から読みたい本に登録してしまいました。2017/08/09
Bartleby
7
高橋さんと一緒に手探りで進んでいくなかで、「現実」から「 」が外れた風景がちょっとだけ見えてきそうな気がする。面白いけれど感想が書きにくい本でもあると思う。書こうとすると、この本が避けようとしたものに自分がはまりこんでしまうのを感じてもどかしい。こんな語るのがむずかしいことと向き合いつづけている高橋さんのすごさを改めて感じています。僕もこのもどかしさと自分なりに向き合ってみたい。2012/06/18
葛西狂蔵
6
著者のこの手の著作ではいつもの事だが、結論に近づくと次の話題へと移り、前回の話題へ回収されたり、結局放置されたり行きつ戻りつを繰り返すのは前作『ニッポンの小説』同様。平易で読み易い文体なのは著者の美点でもあるものの、中盤辺りからの抽象的な話が、文体の平易さで余計に抽象的になっている気がする。小説を考える事が結果的に言葉を考える事になるのは理解出来るのだが、いつも最終的に禅問答じみてくるのはどうなんだろう?2017/04/16
NагΑ Насy
6
ラカンのエクリの日本語版の序文が引用されていなかったっけと思ってざっと通読。見当たらず。思いがけず『無意識の病理学』で論述されていた言語と主体の関係のところと、川上弘美『真鶴』の評論の内容の重なりに気付いてはっとする。保坂和志の小説論ととりあげる小説の重なりが興味深い。また、ロラン・バルトの『文学の記号学』が出てくる。小島信夫はこの一冊を残して他のバルトの本は処分したと。2013/12/17
mejiro
5
作品をこれほど丁寧に読まれたら作家冥利に尽きるだろうなと思った。言葉に真剣に向き合い、考え続ける力に感心した。2016/04/08
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