出版社内容情報
これが「政治とカネ」のリアルだ! 依然続く談合と巧妙な裏金工作。権力者と黒い人脈の間で蠢く闇の政商の実態をえぐる騒然の問題作。
内容説明
小沢一郎は黒か、白か!?「ここまで来ればしゃべらなあかん」「闇の政商」の告白からあぶり出す政官業「癒着」の核心。“政治とカネ”のリアルを描いたアンダーグラウンド・ノンフィクション。
目次
第1章 始動―東京地検特捜部「裏金捜査」の端緒
第2章 汚職事件―電力事業で急成長した水谷建設
第3章 摘発―検察が乗り出した談合組織の解体
第4章 裏金づくり―捜査の網をかいくぐる術
第5章 北朝鮮利権―羽田空港建設の裏工作
第6章 西松建設事件―二階俊博事務所の影響力
第7章 人脈―政官界から芸能人まで幅広い交友
第8章 政治とカネ―小沢一郎へ渡った水谷マネー
終章 宴の終わり
著者等紹介
森功[モリイサオ]
1961年、福岡県生まれ。新潮社勤務などを経てノンフィクション作家となる。2008年、「ヤメ検―司法に巣喰う生態系の研究」、09年の「同和と銀行―三菱東京UFJの闇」(ともに月刊現代)の両記事が二年連続「雑誌ジャーナリズム賞作品賞」を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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遥かなる想い
104
小沢一郎と水谷功の政治とカネの実態に取り組んだ本である。 田中角栄から始まる建築業界と政治家たちの 癒着疑惑が 実名とともに描かれる。 物事は どうやって決まっていくのか… 平成の政商 水谷功ののしあがり方は まるで 企業小説を読むようで 政治とカネの根の深さを実感する…そんな本だった。 2022/08/05
kinkin
70
巨大建設工事や運輸業界と政治家との癒着。この構図は昔から取り沙汰されているが、いまだにそれは続く。描かれたのは2010年頃、つい最近も裏金問題が発覚しても起訴できない日本という国。政治資金規正法など名ばかりのザル方でいつも政治家はするすると抜けてゆく。本気で特捜もやればできないことはないと感じる。そこには庶民とは別の社会があり業界、政界、反社や果ては芸能界、海外とも繋がっていることを知る。図書館本2024/08/27
shige
3
小沢裁判でも話題になった水谷建設マネーについて書かれたノンフィクション。建設業界の談合・裏金作りの過程が生々しく、憂うつな気持ちになりながらも、非常に読み応えのある作品です。裏側のドロドロだけでなく、スーパーゼネコンを頭とする建設業界についての勉強にもなる良著です。砂利利権について本書で初めて知りました。2013/05/29
tarazanzan
2
政治と金で水谷建設という名前が良く出てくるので興味があったので。原発利権の部分とか知らないところがあって、ためになった。賞賛はされないけれど、こういう動きも出来なければ、のし上がっていけないんだろうなと思いました。2013/12/28
みむら しんじ
1
建設業界と政界のカネの実態を赤裸々に描く。「政界裏工作の請負人」としてその名を響かせた水谷建設・水谷功と小沢一郎の深い関係にメスを入れた東京地検。裁判の証言と裏工作の実態を暴く。特に政治家にとっての原子力発電所建設は、まさに「泥のカネ」の成る木であったのだ。2013/12/18