出版社内容情報
もはや孤独死は他人事ではない!
身寄りのない無縁死の急増は、家族や社会との絆が急速に崩壊しつつある現代社会への警鐘か? 大反響を呼んだNHKスペシャルの番組を単行本化。
内容説明
地縁、社縁、血縁が崩壊し、“ひとりぼっち”が急増するニッポン。無縁死はもはや他人事ではない。
目次
序章 “ひとりぼっち”が増え続ける日本
第1章 追跡「行旅死亡人」―わずか数行にまとめられた人生
第2章 薄れる家族の絆―「引き取り拒否」の遺体の行方
第3章 単身化の時代―「生涯未婚」の急増
第4章 社縁が切れた後に―疑似家族に頼る人々1
第5章 “おひとりさま”の女性たち―疑似家族に頼る人々2
第6章 若い世代に広がる“無縁死”の恐怖―ツイッターでつぶやく将来の不安
第7章 絆を取り戻すために―二度の人生を生きた男
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mitei
157
当時でも問題になってたけど、今はむしろ普遍化してきた感じかな。2024/05/06
うりぼう
110
私は、こののNスペを観ていない。わざわざ悲しい思いをしたくないから。この本も関心がなかったが、植田さんがいいよと貸してくれたので読んだ。丹念に取材されてよくできているが、福祉の世界に身を置く者としては、菊池寛賞を受賞するほどのものとも思えなかったが、第7章を読んで氷解した。涙が止まらない。このことを書くために前の6章がある。人は、無縁に陥っても有縁に復することができ、家族がなくても孤独ではないのだ。それは、どう生きるかに尽きる。それは、心の戸を窓を叩き続ける人がいるかの一点。私も一人の智子さんでありたい。2011/01/08
文庫フリーク@灯れ松明の火
85
読み友さんレビューで、ずっと読みたかった本。映像は見ていないが、これは将来の自分の姿かも。絆を大切にしたい気持ちは有っても、年齢や距離・環境で縁が薄くならざるを得ない場合がある。一人でいることの孤独と危険・逆説的な居心地の良さ。身につまされて読んでいた為、第七章の人生を二度生きた男・木下敬二さんと智子さんの縁が不意打ちで泣かされた。個人的メモとして目次をコメント欄へ。2011/10/23
Miyoshi Hirotaka
78
無縁死は年間3万2千人いるらしい。核家族化は大正時代に過半数に達していたが、近年は単身化が急速に進んでいる。これは、「迷惑をかけたくない」というわが国の伝統的気質に加え、生涯未婚率の上昇、自己責任という風潮の広がりによるものと推測されている。無縁死する人は、地縁、社縁、血縁という人のセーフティネットの喪失と差し替えに、高額商品勧誘、宗教などの貧困ビジネスの標的にされる。人生の途中に落ち度があった訳ではないだけに理不尽だ。人の縁への参加の機会を提供することにより、負の連鎖を何としても断たなければならない。2015/03/24
パフちゃん@かのん変更
75
地縁、血縁が薄れてきている。ごく普通に暮らしてきた人でも死別や離別で一人になることは多い。子どもがいても昨今は同居することも少ない。親は子供に迷惑をかけたくないと思い、一人暮らしを続ける。働き盛りの引きこもりも増えている。リストラや人間関係のストレスで会社を辞め引きこもる。若い世代も非正規雇用が増え、収入が少ないために結婚をためらう人が多い。生涯未婚率は増え続けている。お一人様の保証人になったり死後の世話をしてくれるNPOがある。直葬や共同墓も増えていっている。東京の3割は直葬だという。2017/03/31