出版社内容情報
幕末史最大の謎、龍馬暗殺─誰がなぜこの事件を起こしたのか。諸説を論破し、証言と資料を駆使して暗殺の黒幕に迫った龍馬本の決定版。
内容説明
龍馬の性格、大局観、交渉術、人脈、思想、行動、そして暗殺をめぐる現場検証。龍馬の全生涯を視野に入れ、新事実と緻密な推理で読み解く「龍馬暗殺」の全貌。
目次
第1章 龍馬、幕末を生きる(龍馬は一日にしてならず;龍馬はなぜ龍馬になっていったのか;脱藩への布石を追う;「龍馬の海軍」はいかに創設されたか;なぜ龍馬は「武士の壁」を越えられたのか ほか)
第2章 龍馬暗殺に謎なし(新撰組黒幕説―事件直後に疑われた;紀州藩黒幕説―動機がもっともあった;土佐藩黒幕説―成り立たない犯行動機;薩摩藩黒幕説―常に疑いの目でみられた集団;幕府内の立ち位置 ほか)
第3章 自筆書簡からみえる等身大の龍馬
著者等紹介
磯田道史[イソダミチフミ]
1970年、岡山に生まれる。慶応義塾大学大学院博士課程修了。現在、茨城大学人文学部准教授。社会経済史の視点を取り入れた独自の史観には定評がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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さつき
80
ですます調の優しい語り口のためか磯田先生出演のテレビ番組をみてるような感覚で読みました。龍馬が実際にどんな人だったのか。イメージが膨らみます。暗殺の黒幕についての考察は至極真っ当で納得のいくものでした。面白かったです。2020/12/06
Book & Travel
46
11/15の坂本龍馬生誕・命日をきっかけに手に取る。いつもながら解りやすい磯田先生。本書では手紙などの一次資料から龍馬の実像を読み解いていく。私も大好きな『竜馬がゆく』とは少し異なり、実物の龍馬はよりしたたかで現実主義だったよう。薩長同盟も大政奉還も彼の独創では無いが、浪人ながら自分の「海軍」を動かし、倒幕の軍事力の基礎を作ってしまった、その実行力が彼の凄い所だった。小説などのイメージを覆しつつ、彼が果たした大きな役割を資料から丹念に解説してくれるのがいい。龍馬暗殺の俗説を切り捨てる第二章も明快だった。2020/11/20
detu
37
「竜馬がゆく」から入ったものとしては少し寂しさも覚える史実。磯田氏の古文書検証力は周知のとおりでケチの付けようはありませんが。龍馬暗殺の犯人についても細かな検証と推理がなされているように思う。龍馬の活躍行動から幕末維新全般をみる。2017/03/07
ポチ
28
龍馬の手紙や行動した事実から、人物像と背景を導き出していて、幕末を分かり易く明記していますね。暗殺の黒幕は……そうだったのか⁉︎2016/05/15
ようはん
20
龍馬暗殺の真相に関して著者の見解はしっくりくる。多くの資料から推察した龍馬の人間像は一般的な龍馬のイメージと比較した場合、いろは丸沈没事故での対応等で著者が「合理的なタフネゴシエイター」と評する通り、綺麗事無しの強かさやダーディーさを感じさせるが一方で龍馬らしいなと言えるエピソードも多くやはり魅力的な男であったと感じる。2021/12/10