出版社内容情報
伊良部シリーズに通じる爆笑必至の旅エッセイ。
自称“ひきこもり作家”の著者が、編集者にそそのかされ(騙され?)、東奔西走。北京オリンピックの星野ジャパン惨敗に怒ったかと思えば、いきなり四国で“歩き遍路”に挑戦します。各編とも笑いのエッセンス満載。絶対、損はさせません。
内容説明
ニューヨーク、北京、そのへん。ものぐさ作家がお出かけすれば、なぜかいつも珍道中。
目次
野球篇(再び、泳いで帰れ;アット・ニューヨーク―または小説家は如何にして心配するのをやめて野球とジャズを愛するようになったか;松坂にも勝っちゃいました―楽天イーグルス地元開幕戦寒中観戦記)
遠足篇(おやじフジロックに行く。しかも雨…。;灼熱の「愛知万博」駆け込み行列ルポ;世界一ジェットコースター「ええじゃないか」絶叫体験記;四国お遍路歩き旅)
著者等紹介
奥田英朗[オクダヒデオ]
1959年、岐阜県生まれ。プランナー、コピーライターなどを経て作家活動に入る。2002年『邪魔』で大藪春彦賞、04年『空中ブランコ』で直木賞、07年『家日和』で柴田錬三郎賞、09年『オリンピックの身代金』で吉川英治文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
猿吉君
83
中年男性視点で観たオリンピックや万博やフジロックやニューヨークなどのイベント紀行、「おじさんはなあ」的な語りが同じ中年として面白くまたあ~あという気持ちになります。①イベント毎に出版社の人が駆り出されてますが人数が多くて皆さん楽しそう(笑)②全体的に「もう若くないんだ」という悲哀を感じ、それがまた良いです。③ジェットコースターはお仕事とはいえ私はパスします、無理。点数80/100→泳いで帰れの続編的な作品ですが単体でもOK、もっと続けて欲しい面白本でした。2021/02/17
Ikutan
76
疲れた時にはゆるめのエッセイとのことで奥田さんのエッセイは初読み。北京オリンピックから始まり、かなり以前の作品だと気づきました。奥田さんらしくテンポのいい文章で読みやすいです。ちょっとした自虐コメントにぷぷぷと吹き出しちゃうところも。ただ、野球や音楽の話題が、私にはあまりよく分からず、そこが、ちょっと残念。奥田さん、原稿がなかなか進まないようで、編集者さんも色々大変みたいですが、新作楽しみにしてますよ〜。頑張って描いてくださ〜い。お願いします。2016/12/14
takaC
62
おもしろいのは自明なのだから今更書く必要もないか。「十三億人もいれば、訪れるものが尽きることはない。」は、たぶん違うと思うな。2010/11/08
pino
58
奥田さんの一人つっこみが面白い。辛口なところも爽快。北京オリンピック、東北楽天のフルキャストスタジアムでの野球観戦記なども、懐かしく読めた。奥田さんがヤジを飛ばす画を想像すると笑える。本当に野球が好きなんだな。さらっと読めるエッセイなのに時間をくうのは、自分の記憶が飛ぶので。N.Y滞在の話で、80年代のI♡N.Yの光を思う。そして911テロ。遡って人生の機微も分らない時に「真夜中のカーボーイ」を観た事。N.Yに救いようのない影が付き纏うのは、J.ボイト、D.ホフマンの姿をみるから。そんな事を思い出した。2012/05/30
らぴ
48
やっぱりおもしろい! すごい毒を吐きながらも、善人だなぁと思わせてくれるその後のフォロー。野球とロックに対する愛情と、ふとした瞬間に思い出す小説や映画のシーン描写がいいなぁ。声を上げて笑ってしまったところがいくつかあって、外で読まずに正解。2010/08/31