世界は村上春樹をどう読むか

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 315p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163684703
  • NDC分類 910.268
  • Cコード C0095

出版社内容情報

ハルキの翻訳者16カ国19人が熱く語る!
いま世界でもっとも愛読されている現代作家、村上春樹。日本人の知らなかった一面が浮かび上がる画期的なシンポジウムの全記録。
アメリカでは「ムラカミエスク(村上春樹的)」、中国では「非常村上(すごく村上的)」、韓国では「ハルキ世代(セデ)」……新語も出来るほど、世界的なハルキ・ブームの只中、16カ国・19人の翻訳者、出版者、批評家、作家が一堂に会し、各国のハルキ事情を縦横に語り合った。

内容説明

17カ国・23人の翻訳者、出版者、作家が一堂に会し、熱く語り合った画期的なシンポジウムの全記録。

目次

1 基調講演
2 パネル・ディスカッション
3 翻訳本の表紙カバーを比べてみると
4 村上春樹と映画
5 ワークショップ
シンポジウムを終えて
付記

著者等紹介

柴田元幸[シバタモトユキ]
1954年、東京生まれ。東京大学文学部教授、現代アメリカ文学専攻。東京学芸大学講師、東京大学教養学部助教授などを経て現在に至る。オースター、エリクソン、ミルハウザー、パワーズ、ダイベックなど、現代アメリカ小説の翻訳多数。2005年、『アメリカン・ナルシス』でサントリー学芸賞受賞

沼野充義[ヌマノミツヨシ]
1954年、東京生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科スラブ系スラブ文学講座教授。専門は、ロシア、ポーランド文学。東京大学文学部卒業、ハーヴァード大学大学院修士課程修了。2002年、『徹夜の塊―亡命文学論』でサントリー学芸賞、2004年、『徹夜の塊―ユートピア文学論』で読売文学賞を受賞

藤井省三[フジイショウゾウ]
1952年、東京生まれ。東京大学文学部教授、日本学術会議会員、中国・台湾・香港の現代文学を専攻。現在、四カ年計画で「東アジアと村上春樹」の国際共同研究を続けている

四方田犬彦[ヨモタイヌヒコ]
1953年、兵庫県生まれ。明治学院大学教授。専門は映画研究、比較文学。映画、漫画など幅広い領域で批評活動を展開。著作に『貴種と転生・中上健次』など。1998年、『映画史への招待』でサントリー学芸賞、2002年、『ソウルの風景―記憶と変貌』で日本エッセイスト・クラブ賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ぐうぐう

10
村上春樹を訳した世界中の翻訳家達が一同に集まったシンポジウムをまとめたこの本を読んでいると、ふと黒澤明のことを思い出した。日本で不当な評価をされながらも世界中で高く評価され、あらゆる映画監督に影響を与えた黒澤と村上春樹の境遇が重なって見えたのだ。それぞれの国の視点からハルキの魅力を語る翻訳家の、その発言ひとつひとつが新鮮だ。リチャード・パワーズの基調講演は、ニューロサイエンスからハルキ文学を解読する試みである。私達の国において、ニューロサイエンスから春樹を語ろうとする評論家や作家がいるだろうか。(つづく)2009/07/21

KASAO

6
村上春樹は次期ノーベル賞候補だという話をよく聞きますけれど、それがどういう経緯で言われるようになっているのか今まで分らないでいました。でも、この本で外国の翻訳家が村上春樹をどういった訳し方をして、外国の読者にどういった読まれ方をしているのかを知って、その理由が初めて理解できたような気がしました。春樹さんの小説が広まる理由に挙げられた「文化的無臭性」がとても印象深く、心に残りました。しばらくしたら再読したい本です。2012/08/21

quienseria

3
世界中で村上春樹がどう読まれているのか、各国の翻訳者が集まって意見が交わされる。翻訳の苦労話や各国の村上春樹本の表紙比較など面白い視点から取り上げている。2011/05/08

ちばっち

1
なぜこんなにも村上春樹が人気なのかが謎でした。ましてや世界中で読まれていてノーベル賞候補とまで言われている理由がわかりませんでした。私は村上春樹の言葉遊びやリズムが好きなので外国語に翻訳してしまったらそういうものが失われてしまい、良さが伝わらないのでは…と思っていました。この本を読んで翻訳者の方々が村上春樹の良さをきちんと理解し、何とか自国の人々に伝えようと苦心している姿に感動しました。書いてある言葉を正確に訳すか、あるいはニュアンスを伝えるために手を加えるか等様々な苦労や工夫が分かり面白かったです。2013/06/22

さえきかずひこ

1
世界各地(アフリカおよびアラブを除く)の春樹研究者&翻訳者らが国際交流基金主催のシンポジウムに集まった記録。パワーズの基調講演は読み応えがある。四方田犬彦の感想文がひどい。香港の梁教授の文章が上手い。しかし春樹が各国でここまで読まれているとは驚きだ。マイナー言語の作品でも出来がよければモノは売れるのだなあ。2009/07/01

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/455346
  • ご注意事項