出版社内容情報
関ヶ原合戦前夜、家康を挟撃せんと北国の雄・上杉と石田三成がむすんだ密約の行方を追う歴史小説雄篇。他一篇を収める歴史小説集
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
モトラッド@積読本消化中
36
★★★『密謀』『義民が駆ける』の2長篇を収録。共に、実在の人物・事件に材を採った歴史小説。『密謀』は、上杉景勝と直江兼続とを主役に、豊臣秀吉・徳川家康と張り合う上杉家の命運を辿る。傍筋の忍者集団「与板の草」の物語(これはフィクション)も面白い。/『義民が駆ける』のテーマは“天保一揆”。荘内、川越、長岡三藩への三方国替えの幕命に対する、荘内領民が起こした藩主国替え阻止目的の百姓一揆である。百姓の語りが、荘内の国言葉なのが特徴的。非常に読み応えがあり。但し、読みが分からない人名多し。もう少しルビが欲しかった。2021/04/04
たつや
5
歴史小説二編。読み慣れると心地良い気持ちで読み進められ、上杉景勝を描いた「密謀」も良いが、個人的には天保一揆を扱った、「義民が駆ける」の方が、興味深く読め、面白かったです。何処かの解説で、藤沢周平は手加減をしませんから、手を抜かないから、面白い。という記事を読んだが、歴史小説は史実を調べて書かれるが、下調べも大変な苦労だったのでは?と、想像をする。2025/02/07
たあこ
3
〈密謀〉歴史小説は苦手だとわかったけど、書くのはもっと大変だろうし、大好きな藤沢さんのだから必死で読了した。直江兼続好きなら読むべし!2014/09/17