出版社内容情報
シェイクスピア、ギリシャ悲劇の翻訳・演出に力を入れた著者のオリジナル戲曲を集大成。第五巻には、名作『キティ颱風』等を収録。
「平和論にたいする疑問」「自由と進歩」「日米兩國民に訴へる」などで戦後の進歩派知識人を痛烈に批判、一方で「私の國語教室」や、D・H・ロレンス、T・ S・エリオットの名翻訳などで知られる福田恆存が、いちばん大切にしていたのは「演劇」だった。名訳シェイクスピア全集は言うまでもなく、劇団を主宰しつつ、自ら人間の本性にせまる傑作戯曲の数々をものしている。ラジオのシナリオを含めて、昭和の演劇界を牽引した巨人のすべての戯曲を全五巻別巻一に収録刊行するのが、本全集である。第五巻は、なかでも評価の高かった「解つてたまるか!」「總統いまだ死せず」などを収録する。