内容説明
「パンと愛と夢」があれば生きていけるイタリア人。「米と仕事と哲学」で生きている日本人。そんな二つの対照的な文化を取り持つのに不可欠なのが、通訳である。日本最強のイタリア語同時通訳と謳われる著者が明かす、爆笑エピソードの数々。この本を読めば、イタリアがますます楽しめる。
目次
イタリア語通訳奮闘記(通訳はその言語の文化に同化する;通訳すごろく ほか)
私が出会った人たち(ネオ・リアリズモの息子マッシモ・トロイージ;強気な女王様ジーナ・ロロブリジダ ほか)
シモネッタ以前(青雲の志;学園生活 ほか)
通訳ア・ラ・カルト(発展途上通訳の反省帳;同時通訳デビュー ほか)
著者等紹介
田丸公美子[タマルクミコ]
イタリア語会議通訳、翻訳業。広島生まれ。東京外国語大学イタリア語科卒
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感想・レビュー
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a*u*a*i*n34
14
故米原万里さんの盟友である田丸さんの初エッセイ集です。米原さん同様、同時通訳の喜怒哀楽が面白い。2019/09/18
らびぞう
9
通訳者としての裏話がてんこ盛り!そうして、裏方役の通訳者を、一気に表舞台に押し出した。また、イタリア人の本質、北と南での格差など、軽いネタから、ちょっぴり重たい話まで、本当に楽しかった。「マンマ・ミーア」日本訳では、「おっかさん!」。そして、それぐらいイタリア男子は、母が1番!「ちょっと腕に触ってみてくれ」太腿を指し「ここも触ってみろ」「もっと硬いとこもあるぞ」と囁く。うろたえる田丸女史に「骨だよ」とアルベルト・トンバ。今度は、同時通訳の時に、じっくり聞いてみよ。2021/04/05
moe
6
米原万里さんの友人でイタリア語通訳の作者のエッセイ。ベテラン通訳者の博学、臨機応変な対応に感心しつつ、一番感動したのは彼女の初ガイドの話。能力不足でメタメタながら一生懸命な彼女を、先輩もお客も不満がありながらもやさしい気持ちで見守っている様子に心温まる思いでした。育ててもらった恩を忘れずにいる作者にも好感を持ちました。そのほか各言語で通訳者のカラーも違うこと、作者の息子さんが自分の息子に巨乳のエロ本を貸したといいう告げ口(?)をした母親への返答など楽しい話がいっぱいでした。2011/04/17
m
4
以前読んだエッセイが面白かったので順番に。語学はもちろん、話している内容の知識も最低限は必要で、本当に大変なお仕事だなぁ。2022年150冊目。2022/06/16
のんき
4
米原万里繋がりで。「通訳はその言語の文化に同化する」って至言だなぁと思った。それから「嘘つきは通訳の始まり」とあるけど、これを読むとむしろ通訳の極意なのではないかと…。米原さんとは違った個性で発揮される通訳の醍醐味を覗かせて貰えた。2009/07/04