出版社内容情報
麻原とその弟子たちの犯罪を法廷で追跡し続けて丸二年。まだ残る謎を冷徹な眼でウオッチし続ける江川紹子の最新版「オウム白書」
内容説明
多くの弟子が離反して法廷で追い込まれる麻原彰晃…。だが、性懲りもなく無罪を主張し「平気でうそをつく」麻原は、オウム再結集の野望を未だ捨て去っていないのか!江川紹子の「オウム白書」最新版。
目次
第1章 麻原彰晃のパフォーマンス(麻原のお追従と仰天証言;異様な発言の背後にある甘え;弟子の証言に耐えられない“尊師” ほか)
第2章 オウムへの愛憎劇(変節した「検察の切り札」;麻原彰晃を追い込む広瀬健一の驚愕証言;麻原から八百万円脅しとった岡崎一明 ほか)
第3章 オウム犯罪の特異性(オウムの教義そのものがもたらした犯罪;警察捜査の汚点と盲点;杉本繁郎が語った「林泰男」の役割 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
takam
13
最後の弁護士の無私を貫くプロフェッショナルな姿勢が最終的な救いか。解脱なんかよりも、職業に殉ずるということも十分に宗教的な教義として日本人にはしっくりくるのではなかろうか。 麻原彰晃と一部の元信者は彼らの世界から結局抜け出すことができずに、自分の都合に良いように人を殺めたり、人に責任を押し付けたりしてきた。創始者自ら二重規範を生んでいること自体に不信感を持つべきだと思う。しかし、アイヒマン的な思考停止に陥っている信者たちにはそこまでの思考は働かなかったようだ。2020/03/15
e r i .
11
図書館。麻原のインチキカタカナ英語供述は少しのみ、あとは和訳にて。裁判が進む中、洗脳が続いている被告一見解けたように見える被告ほぼ無く後悔している被告と、様子に変化が見られる。被害者親族が証言台に立ち、弁護人から言われた「被告人が死刑になればあなたの気持ちは晴れるんですか」の言葉がつらい。サティアン内部の図解入り。2014/07/20
おい
4
オウム裁判の様々な状況に触れられる。この本を読むと少なくとも97年7月までは麻原彰晃は正気であった事や三女の子供時代の性格、裁判制、警察、弁護士、マスコミの問題などオウム関連の色々な側面に触れられる。 ★★★★2017/12/28
活字@れつだん先生
2
ジャーナリズムってのはこういうことをいうのかね。信者も様々だな。まだ信じる人、抜けた人、悩んでる人。麻原のおかしな姿を自分を試していると捉えると、なかなか抜けられないんだろうなと思う。これが絶対帰依ってやつか。大小様々な事件が知れてとてもよかった。2022/12/11
るりこ
1
長谷川弁護士ちょっとかっこいい。キメ台詞→「ばっかみたい。反権力というのがどういう意味か知らんけどな、弁護士は裁判官でもなきゃ、検察官でもないわけだからね。要するに、被告人の側から光を当てると事件がどう見えるか、というのが役割やからね。当然、裁判官とも対立することはあるし、検察官とも対立することはいっぱいあるわけですよ。最終的に裁判所がどう判断するかは別問題でね、弁護士であれば、無罪が主張できるところがあれば当然主張するにきまっとうやん」2016/04/16