内容説明
飛騨の両面宿儺と紀伊の両面埴輪がきりひらく東アジア史への新視点。史料そしてミステリー。和歌山市の前方後円墳から「顔が二つある人物埴輪」が出土した。一方、岐阜県高山市の善久寺には異形の仏像「両面宿儺菩薩像」がまつられている。穏和な顔の背面に怒りの形相をあわせもつ、このふたつの造形は無関係ではない。
目次
プロローグ 謎の埴輪
第1章 宿儺の伝承
第2章 蚩尤と宿儺
第3章 古代の飛騨と鉄のにおい
第4章 ワニ氏と紀氏と両面埴輪
第5章 宿儺伝承の変容と飛騨と紀伊
第6章 両面の神とミロクの聖山
著者等紹介
尾関章[オゼキアキラ]
1946年、岐阜県に生まれる。立命館大学文学部史学科日本史専攻卒。岐阜県立高校の社会科教諭、岐阜県博物館学芸部勤務などを経て関市立関商工高等学校を定年退職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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jjm
10
先日、上高地、白川郷を訪れた際に、人気マンガ『呪術廻戦』のラスボス両面宿儺が飛騨の伝承に由来する地方豪族(あるいはその首長等)であることを知る。両面四臂(阿修羅像の様な風貌)の異形で形容されるのは、ヤマト王権(から見て)に属さない逆賊だったからだろうと言われているらしい。飛騨の伝承では両面宿儺が救世観音の化身であったり、人々を悩ませていた龍を退治したりという伝説があるとのこと。土蜘蛛、隼人、熊襲、蝦夷という言葉を聞くと古代ロマンを感じてしまう。2025/08/03
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