出版社内容情報
「七人の侍」「生きる」等で忘れ難い名演を見せた俳優・志村喬。寡黙だが根は優しい“日本の父”を演じ続けた志村の生涯と魅力を綴る
内容説明
「七人の侍」「生きる」「野良犬」…。寡黙で照れ屋で、頑固だが内に優しさを秘めた男、そんな“日本の父”を演じつづけた俳優・志村喬の生涯と日本映画の黄金時代。書き下ろしノンフィクション。
目次
最後の「利休」
新劇青年時代
映画開眼
二人の往復書簡
まあちゃん目ざめる
「髑髏銭」と「歌合戦」
太秦署
戦争の日々
「勘兵衛」の行方
男ありて
終りなき夢
資料篇(志村喬フィルモグラフィ;映画・テレビ出演リスト;島崎家系図)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヒデキ
42
名優「志村僑」さんが、 出来ていった過程を 家庭人として描いているのかと思って読みだしました しかし、そこで描かれているのは、 俳優としての志村さんのデビューからの姿でした。 奥様との手紙のやり取りは、 よく、こんなに手紙が残っていたなと驚いてしまいました。 この手紙を残されていた奥様の愛情を感じてしまいました。 2022/05/03
てら
6
名優・志村喬について、生前に親交のあった澤地久枝が綴った評伝。知らなかったことがいっぱい。この著者らしい、客観性と愛情のバランスのとれた、簡潔だが深い記述に頭が下がる。黒澤明作品の中で語られることの多い志村喬が、いかに多彩な表現力を持っていたか、どのような家庭人であったか、よくわかりました。2022/09/10
イカ男
5
昔の都都逸でしたか「男が惚れる男じゃなけりゃ、粋な女は惚れやせぬ」「花の応援団」の3人、デザイナーの植田いつ子、脚本家の向田邦子に著者、粋なメンバーですね。2012/04/03
ウテオンマ
4
最近また往年の日本映画を観るようになり、20年ぶりに再読。澤地久枝による名優志村喬の評伝。優れたノンフィクションの書き手である彼女が、所々冷静さを失う(もっとあの色気を生かせる役をさせたかった!とか)あたりが志村愛にあふれ、なんとも可愛らしい。(志村の晩年、向田邦子らとともに花の応援団として交友があった)戦前のオペレッタ映画、鴛鴦歌合戦の劇中歌を夫人が嫌になるくらい家でも歌ってたエピソードが微笑ましい。亡くなったときの高倉健の話は泣いた。七人の侍の勘兵衛にまた会いたくなる。2023/01/30
菊千代
4
名優、志村喬はやっぱり素敵な人だった。