最後のひと

最後のひと

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  • サイズ B6判/ページ数 271p/高さ 20X14cm
  • 商品コード 9784163446905
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0095

出版社内容情報

学問・芸術だけが文化ではない。所作・美意識・人情・言語など今は亡びた文化を、それを育んだ花柳界の変遷を追いつつ描く異色作

内容説明

かつて人びとの暮しのなかにあった教養、所作、美意識などは、いまや跡かたもなく亡びた。独得の美意識「いき(粋)」を育んだ花柳界の百年の変遷を手掛りに、失われた文化とその終焉を描く。

目次

靴下だけはいてあとまる裸
露伴一族はえらい人ばかり
流行はすべて梨園から出た
親不孝を売物にする時代
あたりを払う威厳があった
何やらただならない人ごえ
なあんだもとは高利貸
悪魔!と何度も罵っている
苦界じゃえ 許しゃんせ
運転手曰くOLに処女なし
色白く丈高き女子なりき
そだてられた大恩がある
美食家というよりうるさ型
作者茉莉と作者鴎外は別人
デコルテほど浅間しきはなし
話は「『いき』の構造」で終る

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

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「いき」 とは何か。日本文化史/精神史の芯ともいうべき概念について、花柳界の衰亡を辿りつつじっくりと考察した一冊。その世界の人間ではないけれど、幸田文は 「いき」 を体現していた最後の存在だと説いてゆく流れには説得力がある。ほんの思いつき、ひとりごとを気軽に綴っているように見えて、幅広い物事を見据え本質を掴み取る眼差しは、この書き手ならではのものだろう。新年を迎える度に読み返してしまう一冊。2011/01/03

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