出版社内容情報
日本を日本として成立させているものは何か。歴史の中からさまざまな「型」を取り出し、日本文化の本質に迫る大好評の評論第二巻
目次
紋
天領と藩領
婚姻雑話
土佐の場合
肥後の場合
華厳
ポンペの神社
金
カッテンディーケ
江戸景色
十三世紀の文章語〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
19
1988年から1989年の2年間にわたり月間文藝春秋の巻等随筆に書かれたものを集めたものです。当時は毎月読んでいたのにあまり印象にはなかったのですが、このように1冊にしてくれるとやはり読後感というものがはっきりと残ります。私の年齢になってくると司馬さんが書かれた当時の年齢に近いせいか、いわれていることはごもっともという感じがあります。江戸時代の文化についてのところはかなり面白く感じました。2014/10/07
みーあ
3
★★★★付箋個所は多くない。「川路聖あきらは生前、手腕と誠実さで上下のあいだでの評判がよかったし、・・・かたく国是を守りつつも縦横に交渉して外交市場に大きな足跡を残した」「とくに理屈をのべはじめると、たどたどしく舌足らずで、ときになんのことかわからない。」などなど。ただ、着眼点と分析は真似できない。2018/03/27
悠々人
3
この本は、本当に日本及び日本人の事を考えるきっかけを与えてくれます。著者曰く、「私は、かりそめのことながら、別の惑星から来たとして、日本国を旅している。この国の習俗・慣習あるいは思考や行動の基本的な型というものを大小となく煮詰め、もしエキスのようなものが取り出せるとすればと思い、「かたち」を取り出しては大釜にいれている。」納得しながら読みました。2017/10/13
じょし
3
文芸春秋に連載していたため、テーマは体系だった順序ではなくとりとめない。が、そこは司馬さん得意の『以上、余談』のような気楽なおもしろみがある。 『私は、かりそめのことながら、別の惑星からきたとして、日本国を旅している。この国の習俗・慣習、あるいは思考や行動の基本的な型というものを大小となく煮詰め、もしエキスのようなものがとりだせるとすればと思い、「かたち」をとりだしては大釜に入れているのである。』あとがきより。 非常に明解で、素敵なあとがきだ。 2011/05/06
kanako
3
読んでいて、とても楽しい☆☆書き出しが興味深く、次でやめようかなと思ってもつい読み進めてしまいます。自分の住む国や日本人の足跡を辿って、そこから色んな想像も膨らんでいく。出会ったことのない、たくさんの人たちのことを考えると私もがんばろうとか思ったりしました2009/01/04