内容説明
「詩」とはまさしく自らの文法を一瞬ごとに生み出す言語。あるいは他者の文法の内部で或る別の見知らぬ新しい文法に従って自らを断言する言葉のことだ、と著者はいう。デリダ、ラカンを縦横に猟歩しつつ、吉岡、西脇、滝口から、ヘルダーリン、デュカスまでを射程に全く新しい「読み」を実践する。
目次
吉岡実における陰用とパフォーマティヴ―『サフラン摘み』以後
茄子の思考―西脇順三郎、あるいは唯物論的「イロニイ」について
透明と痕跡―滝口修造の場処
(反)オイディプスと(しての)言葉―朝吹亮二・松浦寿輝のための断片×2
譚海の掟―天沢退二郎試論〔ほか〕