出版社内容情報
食道ガンの末期までメガホンを結びつけて講義を続けた文化人類学者・我妻洋は、民法学の泰斗・栄の息子だった。高名な父を持つ子の"自己確認"のための闘いの生涯
内容説明
父とは何か?子とは何か?人生とは何か?多くの問いかけを真摯に生きたある学者の生涯。
目次
父親の影に生きた男
軽井沢「南原文化人村」
“はざま”人間の宿命
2人の接近
アメリカ・勘当・結婚
日本とアメリカのはざまで
父親と娘
「揺れうごくわが心」
病いと闘う
最後の日々
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Ted
6
民法学者・我妻栄の息子で文化人類学者だった我妻洋の評伝。「混血児」に関心を持っていた理由を自己分析した箇所が面白い。身内(妻とその友人)が書いた本なので美化されている面が否めない。行間からもっとドロドロしたものを想像する必要がある。親子関係の負の連鎖が次代に続いていく不思議を見る。良い悪いとは無関係に丸ごと刷り込まれてしまうとしか思えない。「日本で大学と言えば東大法学部だけ」などと本気で思っているような親父の下で育てば、死の床にあっても“偉大な父”の呪縛から解放されなかったのも無理ないことかもしれない。2011/09/05
ライプニッツ
0
民法学のレジェンドである我妻栄の息子、我妻洋の半生を描いた作品。 父と子、父と娘、夫婦愛、日本とアメリカ、終活、いろいろと考えさせられることの多い作品です。 ドラマチックで正に波乱万丈な人生で、読み物としてシンプルに面白いです。 もっとたくさんの人に読まれるべき本だと思います。2021/03/30