出版社内容情報
源平時代、生き抜くために宋へ渡り、貴重な教典を持ち帰った重源は、徒手空挙の身で大仏再建の重責を担うのだが。歴史長篇小説。
内容説明
奈良大仏を再建した怪僧の不撓不屈、創意工夫の生涯!およそ千年前、宋に渡り、新しい知識を身につけた老僧に、東大寺再興の巨大プロジェクトが託される。金を集め、人を集め、民衆を動かす。時代を切り開く巨人の、この圧倒的パワーを見よ。
著者等紹介
高橋直樹[タカハシナオキ]
1960年、東京都生まれ。國學院大學文学部卒。92年に「尼子悲話」でオール讀物新人賞を受賞。97年に『鎌倉擾乱』で中山義秀文学賞を受賞するなど、本格歴史小説家として活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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こぽぞう☆
17
忙しくて皆さんのレビューにイイネできてません!ごめんなさい! 図書館本。ずっと前に「読みたい本」に登録して、図書館にあるのも知ってたのだけど、やっと借りた。面白い!平安時代から鎌倉時代に移り変わる頃の話だが、「公」というのは三つあり、「朝廷」「武家社会」「僧侶の世界」ということになる。前者ふたつは教科書にもよく出て来るし、歴史小説も多く、比較的よく知られてると思う。しかし「僧侶の世界」は基本、血縁で結ばれることがないせいか忘れられがち。重源の大仏見たかったな。2019/05/13
星落秋風五丈原
17
源平時代、生き抜くために宋へ渡り、貴重な経典を持ち帰った重源は、徒手空拳の身で大仏再建の重責を担うのだが…。奈良の大仏を再建した怪僧の不撓不屈、創意工夫の生涯を描いた歴史長篇小説。 2010/10/24
sayzk
7
東大寺を再建したとされる重源。あの国宝の上人像を思い浮かべて読む重源は、実業家で、政治家で、極道で、”ついでに”坊主。裏社会と表社会の両面ですさまじき人生として物語が進められます。重源の陰鬱で重苦しき活躍。昔の寺の利権や政治力がどんなしくみになってたのかなんか解り易い本ないかな。2015/10/26
Book Lover Mr.Garakuta
6
図書館本:速読。柔らかい本で、面白かった。そうだったのかと思う。鍵は東大寺再建。2019/02/10
紅花
6
重源はかなり悪党!鑁阿も悪党!全ての登場人物が悪党!生きている者すべてが悪党。公家、貴族たちが主人公の小説の中では、権力争いに命を失非力な民にしか思えない一般の人々が、こんなにも強く逞しく、したたかに生きてきたのね。その心をとらえた重源の力。人々の生活、物やお金のまわり方、信じる物や心、国際感覚、当時の人の息吹がとても感じられて、大変面白い一冊でした。2015/01/17