出版社内容情報
著者が最も得意とし、また多くの読者から支持を集めている世話物を中心とした短篇集。心が冷えている人にほんのり明かりを灯します。
内容説明
兄弟の深い絆、男女の運命の糸。江戸の空の下で再会した兄と弟。金儲けに明け暮れた弟に兄が振り上げたこぶしの真意とは。傑作短編を7作収録。心を暖める傑作時代小説集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あすか
14
切るに切れない縁っていうのは、「切りたくない縁」っていうことなのかな?切なかったり、あったかくなったりな短編集でした。私の地元の話もでてきて、ちょっと嬉しかったです。2020/08/02
コージー
14
初めて北原さん作品を読みました。分かりやすく泣けたり、嬉しかったりする話ではないが、何ともいえない静かな心の動きや気持ちが、大人な物語だと思った。表題作、帰り花、草青む、がホッとできて良かった。2015/08/31
みかりん
6
やっぱり 良かった。でも いつも思うが この時代は 不倫や浮気が横行してて 読んでて切なくなる物が多いんですよね〜。この時代の女性達、なんて健気なんでしょう。そこがまた いい所なんだろうけど。2018/10/05
あかんべ
6
題名だけを見ると、山本周五郎を思い浮かべるが、各作品はハッピーエンドでばかりではないから、いやそうでない話が特に面白いと思った。さすが女流作家の作品は女心の、微妙さを上手に書いている。冬隣、風鈴の鳴りやむ時が、がけっぷちに立つ人の気持ちが絶妙だ。2011/12/25
茉莉花茶
4
レビューや中身の紹介を知らずに借りてみた作品(作者は慶次郎日記の人と把握(ドラマだけ視聴。好きです)。小説としても彼女の作品を読みきるのは初となった当作品。どれも後味さっぱりの爽やか作品ではなく、アンニュイなテイスト…物憂げというか気だるげというかもの寂しいというか…しかし、こんな味わいも悪くない。人間は人生はきれいなことばかりじゃない、キレイ事ばかり言ってられない、後味をいかようにも溶かしていってその時時の自分の心の気分で読後感を変えられる、味の広い作品だなと思いました。他作も読んでいきたいです。2013/08/11