出版社内容情報
友人からホンダ・ビートを譲り受けた19歳の主人公と仲間たちの、疾走する群像小説。芥川賞候補にもなった新鋭による待望の最新刊。
内容説明
誰と勝負しているのか。軽自動車を手に入れた予備校生の、変わりゆく生活を描いた群像小説。
著者等紹介
羽田圭介[ハダケイスケ]
1985年、東京都生まれ。明治大学卒業。2003年、「黒冷水」で第40回文藝賞を受賞。2008年、「走ル」が第139回芥川賞候補作に、2010年、「ミート・ザ・ビート」が第142回芥川賞候補作となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ケイ
92
芥川賞作家となった羽田さんがその5年ほどまえに書いた作品。こちらも芥川賞候補だった。最初はタイトル通りビートがある。自転車に乗った主人公を追い抜く車やトラック。その情景描写も素晴らしく、行間に入り込んでいくよう。しかし、ビートが車だと分かった頃から、どうもリズム感が萎えてはいないか…。車同士の走りになると、かえって疾走感が消失していったようだった。2015/07/31
まーちゃん
61
叔父宅に下宿する予備校生はバイト先で知り合った仲間に軽のオープンカーをもらう。普通車や大型車と並び自転車で県道を走る描写。始業前の建設現場。免許取得後初のドライブで運転に戸惑ってる様子。積極的にサボってはいないのに、いつしか勉強時間は減り、仲間から貰った車を改造し、一人一台の車に乗って海へ遊びに行く。前回同様、情景や淡々とした心情描写にはとても引き込まれる。特に起伏のあるストーリーではなく若干退屈しながらも、上手な文章にスルスル読んでいたが。ただ、あのあまりに唐突な終わり方に言葉を失った。2015/08/26
なゆ
57
音楽系の話かと思ったら、車のビートだった。予備校とバイトに明け暮れる19歳男子の日常に、仲間から譲り受けたホンダビートが加わる。おっかなびっくりな運転がだんだん慣れてきて、あちこち手を加えたくなってくる感じ、なんか懐かしい。仲間たちそれぞれの車に対するこだわりも面白く、なんとなく集まってはワヤワヤしてた頃を思い出させてくれる。ザ・車と青春、といった感じか。もう1篇の『一丁目一番地』は、競馬に出会う話。のめり込むでもなく、ただ観察してるよう。何かに焦点を当てて、遠巻きから近づいていく書き方が面白いと思った。2015/08/10
ぶんこ
54
著者初読みです。 何なのか? 何故都内から1時間程の叔父の家に居候するような予備校を選んだのかも、いまいち分からず、車の話にも興味がなかったので、モヤモヤとした読後感。 2作目は東京競馬場の話で、こちらも何を言いたいのか分かりませんでした。 相性が悪いのかも知れません。2015/11/09
オーウェン
53
ホンダのビートを駆って先の見えない未来を求めていく青春劇。 疾走する中身と同じように、文体もかなりスラスラ読ませていく構成。 月給や車の値段。 風俗にかかる金など、なんともその場しのぎのような逼迫した経済事情。 でも車に乗ってる間だけはそんなことは忘れてしまう。 青春模様以外ではありえない。 何かしたいことが見つかったら無理をしてでもやるのが青春の特徴。 それにしても車買う時って、ほんと手続き面倒だよね(笑)2021/02/10
-
- 和書
- おにぎりおにぎり