象牙色の賢者

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  • サイズ B6判/ページ数 333p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163289205
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

偉大な文豪を父に持ったがために、“小”デュマと呼ばれた息子。名作「椿姫」の作者であり父をしのぐ栄誉に輝いた男の苦悩の生涯。

内容説明

奴隷の息子から成り上がった一家は、三代目にしてフランス文化の象徴となった。デュマ三部作、堂々の完結。

著者等紹介

佐藤賢一[サトウケンイチ]
1968年山形県鶴岡市生まれ。山形大学教育学部卒業後、東北大学大学院文学研究科で西洋史学を専攻。93年『ジャガーになった男』で第6回小説すばる新人賞、99年『王妃の離婚』(集英社)で第121回直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

NAO

76
【2021年色に繋がる本読書会】『椿姫』の作者デュマ・フィスこと三代目アレクサンドル・デュマ。父の女性遍歴に悩まされ続けていたのに、年頃になり父親の華やかな生活の中に入り込むや、自分もまた父に負けず劣らすのドンファンぶりを発揮することになったデュマ・フィスは、自分の中に流れるデュマ家の、野性の血について考えるようになる。デュマ・ペールは、強く父親に憧れながらも、幼い頃に父は死んでいたため、父親からの縛りを受けることはなかった。一方、デュマ・フィスは、父親に憧れながらも⇒2021/06/25

夜間飛行

59
三部作の最後はデュマ・フィスの一人称体で書かれている…私生児の負い目と母への思い、父の結婚相手を巡る葛藤、作家をめざす途次で愛慾に溺れていく悔恨、儚くも美しい恋の思い出。繰り返し現れるのは、女性を物に貶める罪悪感と力に酔うような高揚、そしてその底にある有色人種の血への意識だ。こういった冷静で容赦ない自己分析(及び父への批判)は、「椿姫」のアルマンを造形した作家の内面に相応しい。父、母、マリー・デュプレ、ジョルジュ・サンドらへの思いを、時に懐かしく、時に赤裸々に語る擬似回顧談の形を借りて、三部作を締め括る。2015/10/01

優希

53
「椿姫」の作者、デュマ・フィスが語る物語。一人称で歴史を語るのは、デュマ三部作の終わりを意味しているのでしょうか。少しくどい感は否めないので、好みは別れると思いますが、著者の意図や想いがしっかり書き込まれているので自分は面白かったと思います。2020/08/30

鐵太郎

15
不遇の祖父、大成功した父を経て、孫のフィスのお話。「黒」「褐色」と来たので次の「白い寵児」となると思った予想は外れました。(笑) ショパンと浮き名を流したジョルジュ・サンドに、ポーランドから死んだショパンの保管していた手紙を渡し、その後彼女をジョルジュ母さんと呼んで親交があったなどという話は、始めて聞きました。本当なのかどうかは知りませんが、面白い。こんな時代があったんだね。こんな人がいたんだね。  佐藤賢一さんって、こんな文も書ける人だったんだね。2010/04/22

α0350α

13
こっちのデュマは「椿姫」しか知りませんでしたが、やはりそれが代表作なんですね。前二作のような勢いはありませんでしたが、デュマ・フィスから見たデュマ・ペールというのが面白かったです。これで三部作まとめ読み完了なので続いてモンテクリスト伯に手を出してみたいと思います。2012/08/11

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