出版社内容情報
江戸と明治を半分ずつ生きた落語界のスーパースター、三遊亭円朝。彼を取り巻く5人の女と、新しい時代の幕開けを哀惜こめて描く
内容説明
江戸から明治へ。時代の節目に、男が変わる、女が変わる…。「牡丹燈籠」や「真景累ヶ淵」などの怪談噺をはじめ、「文七元結」「塩原多助」など数々の創作落語を残し、近代落語の祖と言われる落語界のスーパースター、三遊亭円朝。江戸から明治へ、幕府の崩壊によりすべての価値観が揺らいだ歴史の転換期に生きた大名人と、彼を愛した五人の女たちの物語。
著者等紹介
松井今朝子[マツイケサコ]
1953年、京都生まれ。早稲田大学大学院修了後、松竹を経て武智鉄二に師事、歌舞伎の脚色、演出、評論などを手がける。97年『東洲しゃらくさし』で小説家としてデビュー。同年、『仲蔵狂乱』で第八回時代小説大賞受賞。2007年『吉原手引草』で第百三十七回直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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カピバラ
26
相変わらず、松井今朝子さんの小説は読みやすい。噺家の円朝と、それをとりまく女たちの話。千尋様とお里さんの話が良かった。2014/09/04
Mark
22
独特な語り口は、読み手を物語の世界へとすっと引き込んでいく。円朝にかかわる女達の生き方がそれぞれの個性を際立たせている。江戸時代から明治へと移り変わる激動の時を背景として、そこに生きる人達の息遣いが聞こえてくるような。それぞれ女達は、幸せだったのか。いやそんなことはさしたることではなく、そこに生きる姿そのものが何か本質的なことを語りかけてくる。魅力ある女達。笑いがあり、切なく、はっと涙が零れたり。素敵なお話ですね。2013/12/07
にゃん
14
ひさびさ大ヒット!江戸と明治をまたがって生きた円朝を軸に書かれただけあって、時代背景もたっぷり楽しめ、その時代の女たちの生き方にしびれた。 花魁も、お武家のお嬢様も、芸子もお手伝いも、どの女も魅力にあふれ、円八の語り口調にあわせ生き生きとしている。しばらく松井作品にはまるでしょう。2011/09/12
宮永沙織
14
戊辰戦争から西南戦争そして日清戦争まで円朝に絡んだ女のお話でした。固定観念が一変してしまった明治維新。井上馨や伊藤博文、山県有朋も出てきます。井上馨の豪気な感じがよく出ておりました。落語はよく知りませんが¢怪談牡丹燈籠£の話は知っています。落語を聴きに行きたくなる一冊でした。2010/09/12
みみずく
11
江戸末期から明治にかけての大名人円朝の弟子が語る、円朝と女たちの物語。娘の話もあり、全てが艶っぽい話ではない。馴染みの花魁、芸者上がりのおかみさん、没落武士の娘などが出てきて豪華な女性遍歴だというだけでなく、江戸から明治、日清戦争あたりまでの庶民の生活の様子が伺えて興味深かった。2013/06/12
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