内容説明
法を犯した精神障害者を収容・治療する医療観察施設。何重もの鋼鉄の扉で囲まれた重監護病棟で患者が女医を惨殺し、逃走した。残されたのは磔にされた全裸の遺体、そして胸にピアスで突き刺したタロットカード。「運命の輪」「吊るされた男」「愚者」…。逆位置のタロットカードが次なる殺人を呼ぶ。天涯孤独な女性捜査官・麻生利津とAI(人工知能)・キシモトのコンビが難事件に挑む。現役精神科医による迫真の医療サスペンス。
著者等紹介
小笠原慧[オガサワラケイ]
1960年、香川県に生まれる。東京大学文学部哲学科中退。京都大学医学部卒業。医学博士。精神科医・岡田尊司としても知られる。作品に、第二〇回横溝正史賞正賞を受賞した『DZ』などがある。本名での著書も多い(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
myc0
16
タロットカードを切り口にした長編ミステリー。死者の記憶を追体験できるシステムが生々しくて怖かった。「タロットカード」というテーマに押され過ぎてて、ちょっと読みにくい作品だったけど、こういうテーマに物語食われてる系小説は大好きです。2018/08/23
冬木楼 fuyukirou
12
小笠原慧初読み。題名にタロットとあるのと表紙に惹かれた。読み始めてすぐに前作があるのに気がついたけど、おもしろくて止められない。1作目は後回しにする。 医療センターで事件がありその捜査に潜入するが・・・という流れで、この人が犯人かな? と思ったらその通りでした。人がたくさん死ぬ割に種明かしはあっさりしていた感じ。ラストぎりぎりまでハラハラしていたかったのに残念。 でも、この文体好きだなあ。1作目も読むのが楽しみ。2015/11/01
ゆんこ姐さん@文豪かぶれなう
12
前作に続き再読。少しドクターキシモトの陰が薄いかなと感じたものの、彼がいなければ解くことができなかったであろう謎もあり、やはりその存在の大きさが感じられる。今回は潜入捜査。ある精神科系研究所で医師が不審な死を遂げ、犯人と思われる入居者は幾重もの厳重なセキュリティを抜けて逃走。次々とおこる殺人に共通するのは遺されたタロットカード。心理学的な観点から見ても非常に面白く読める作品だった。エスペラント語や暗号も話に織込められていて、もっと読みたい!という気にさせられる。これより続きがないのが残念。2014/12/15
若冲
11
清水玲子の秘密が小説になった感じ。2014/10/14
ふう
11
犯人はあっさり目星がつくし、トリックにもたいした驚きもない。第一、ウンチク出すなら京極くらい怒涛のように繰り出さないと中途半端な印象になってしまう。帯のあらすじはとっても魅力的だったのに…。タロット好きorヘブライ語が得意な人ならもっと楽しめるのかなあ。うーん。ちなみに、第二外国語がフランス語でも満足に読み書きできない人のが多いと思う(私だけじゃないはずだ)2009/05/13
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