出版社内容情報
誰より気が合う相棒の転校を前に、僕らは冒険に出かけた―憧れのあの二人組のように。友人を家族を恋人を”想う”十三の夏の風景。
内容説明
忘れられない一瞬を焼き付けた夏が、今年もまたやってくる。ものがたりの歳時記―「夏」の巻、12編。
著者等紹介
重松清[シゲマツキヨシ]
1963年、岡山県生まれ。早稲田大学教育学部卒業。出版社勤務を経て、フリーライターに。91年『ビフォア・ラン』で作家デビュー。99年『ナイフ』で第14回坪田譲治文学賞、『エイジ』で第12回山本周五郎賞を受賞。2001年『ビタミンF』で第124回直木賞を受賞。ルポルタージュ、時評、評論など小説以外のジャンルでの執筆活動も高い評価を受けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ともくん
62
カラッと晴れた夏の日ではなく、まるで空が涙を零しているように雨が降る夏の午後。 そんな物語たち。 しかし、それが不快ではない。 重松清の魔法にかかったように自然と溢れ出す涙。 雨がやんだら晴れるように、涙が出尽くしたら元気になれるような作品。2019/10/01
kazu@十五夜読書会
51
『季節風夏』の巻、12編。『ささのは さらさら』じんわりと効いてくる作品。『べっぴんさん』家内の母親の介護中なので、重松清らしい作品で心に響く。シリーズ文庫で購入再読予定。2013/06/14
greenish 🌿
32
(文庫で読了)義姉と元夫側の家族との別れの心情を描いた『あじさい、揺れて』、再婚を決めた母子が新しい家族との絆を結ぶ心情を描いた『ささのは さらさら』など12の短編集。「季節風」シリーズ「夏」の物語 ---人が人を想う気持ちを《夏の記憶》とともに綴った重松さんらしい物語。母父・祖母祖父・幼なじみ・友人・恋人・・・誰にでも心の中に閉まっている切なくて温かい記憶を優しく想い出させてくれ、ぽろぽろと涙が零れます。「終わりの後の始まり」それでも人は前を向いて、次の季節を生きていける。夏の終わりに読んで欲しい一冊。2013/08/18
星群
27
キラキラ輝いて眩しい夏の物語。シリーズ3冊目だけど、今まで一番泣いたかもしれない。感情移入させる文章が上手いなぁと、つくづく思う。お気に入りは、『ささのはさらさら』、『僕たちのミシシッピ・リバー』、『べっぴんさん』、『タカシ丸』。2012/07/18
tan
22
「春」に引き続き読了。「夏」なのでもっと激しいイメージがあったけど、別れが多く、物悲しい寂しい気持ちになりました。でもそれぞれが折り合いをつけて自分を納得させる内容で、重松さんらしさがにじみ出ていてとてもよかったです。全体的に「盛夏」よりも「晩夏」が似合う夏の物語でした。2014/05/01