内容説明
曹操はついに立ち、天子を奉じることを決断、洛陽にむかう。そして曹操、袁紹いずれかの霸権を定める官渡の戦いが始まる。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
47
劉備を面白おかしく書いています。私は昔から曹操が好きでしたので宮城谷さんのここでの書きぶりは好きです。たぶん宮城谷さんも曹操ファンなのでしょう。英雄としての資質を備えていると思います。中国の人にはあんまりファンがいないのでしょうが、やはり一国をきちんとおさめたということでもう少し評価されてもいいのではないかと思います。2015/04/23
優希
44
曹操が主人公といえると思います。袁紹や孫策の死が描かれます。官渡の戦いが1番の読みどころでしょう。物語が大きく動き始めたと言っても良いですね。劉備が独特の存在感なのも興味い深いところです。2024/04/03
future4227
44
孫策の独立から官渡の戦いまでを描く第5巻。呂布が消え、袁術が消え、ついに袁紹が消える。この時期の曹操はかなりできた人間だ。私怨にとらわれず、能力ある者はどんどん登用し、部下の意見にも謙虚に耳を傾ける。決断は早く、こうと決めたら迷いがない。それに比べて宮城谷氏の劉備への評価はかなり低い。学問が嫌いで『孫子』も読まず、独自の感性だけで行動する。そして負けそうになると部下も家族も置き去りにして自分だけさっさと逃げる。とにかく逃げ足だけは速いのが彼の特技。それなのになぜか人に慕われる不思議な人物として描かれる。2019/01/16
しーふぉ
19
袁紹との決戦や孫策の非業の死など物語が動く巻になります。劉備の麾下に関羽、張飛、趙雲、糜竺、孫乾が集まる。2018/11/11
つみれ
14
曹操と袁紹の明暗を分けたのは何だったか。毎度これを考えてしまう。幕僚の質だろうか。おそらく違うであろう。荀彧や郭嘉が高い評価を得ているのは、彼らの献策の見事さももちろんあるだろうが、勝者の側にいたからというのがあるように思うのだ。歴史は勝者によって書かれるという。袁紹のもとにも賢才武略の良将は数多くいたはずで、袁紹が判断を誤らなければ、田豊や沮授が荀彧や郭嘉の位置にいたかもしれない。結局のところ、曹操と袁紹の「将器」の違いということになるだろうか。宮城谷氏の描く淡々とした官渡も格別の味わいだった。2016/01/12