内容説明
ミセス順、本名・安達順三郎。化粧をして原色のマンボズボンを穿いたその人は、田舎町の嘲笑と注目を一身に集める有名人で、しかも母の叔父にあたる人だった。ずっと避け続けた「彼女」に確かめたいことがあって「わたし」は、再びあの町を訪れた―。表題作のほか「観音谷パラダイス」「仮宿」の二篇を収録。人間が本来的に抱える孤独を、温かく癒す著者真骨頂の中篇集。
著者等紹介
佐藤洋二郎[サトウヨウジロウ]
1949年福岡県生まれ。『夏至祭』で野間文芸新人賞、『岬の蛍』で芸術選奨文部大臣新人賞、『イギリス山』で木山捷平文学賞をそれぞれ受賞
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