出版社内容情報
旧幕臣の駐露公使と革命家ザワーシンがロシアでかわした百二十年前の密約は生きていた!ソ連崩壊で初めて明らかになる歴史の闇
内容説明
五稜郭の一戦に敗れた旧幕臣榎本武揚は新政府の駐露全権行使となり明治11年馬車によるシベリア大陸横断を決行。克明精緻な日記を二種類遺していた…なぜなんのために―グレアム・グリーンに著者が捧げる我が「ヒューマン・ファクター」。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
紅蓮
14
50ページあたりまですごく読みづらく苦労したが、そこからどんどん面白くなり人物が頭に絵としていきいきと浮かんでくるようになった。つまりどこまでもフィクションなのだ。そこが面白かった。「ロシアは頭では理解できない。それを測る普遍的な尺度などないのだから。ただ信ずるほかなし」、との文言の説得力たるや!明治外交史のおさらいにもなりました。「すると、鹿見は百年余りも前に榎本が日露間に工作した秘密を、手記に綴って暴露し、あろうことかKGBに提出していたということになりますね」(p210)2016/05/05