芳年冥府彷徨

芳年冥府彷徨

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  • サイズ B6判/ページ数 237p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163176901
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

黒頭巾の男が人を斬るのを目撃した芳年は、あの男の殺気を描きたいとの一念にとりつかれる。狂気の浮世絵師・月岡芳年の若き日々

内容説明

黒頭巾の男が人を斬るのを目撃し、その殺気を描きたいとの一念に取りつかれた狂気の浮世絵師・月岡芳年の若き日々。松本清張賞受賞作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Tatsuhito Matsuzaki

13
幕末から明治期にかけて"血と狂気の絵師"と評され「最後の浮世絵師」とも称される月岡芳年。 進駐した官軍と彰義隊との決戦を背景に、芳年の「#魁題百撰相」が生まれるに至った物語を 血生臭い香りを漂わせながら描いた作品です。1999年第六回松本清張賞受賞作。 ちなみに、芳年のお墓がある東京新宿の専福寺は、私の曾祖父母等が眠る松﨑家の菩提寺でもあります。 #月岡芳年 #彰義隊 官軍 #黒頭巾 #上野 #吉原 #江戸 #今日の一冊2023/04/20

さくら餅

4
まさに芳年が実際に描いた残酷絵をそのまま文章にしたような薄暗く気持ち悪い作品でした。2013/12/06

なつきネコ@本読む化け猫

4
全てにたいして破綻がない。時代、文化、芸術、人物、物語、謎の書き方が統合していて、面白い。芳年の芸術的な狂い、殺気や。人の生死を絵の中で表現しようと言う精神の狂いぐらいが本当に良かった。読んでいてぞっとした。たしかに芳年の描いた絵は血の色が恐ろしい狂気があり、そこは上手く表現でいていると思う。本当に面白い。2013/11/28

Radwynn

1
"殺気"とは何なのか 、"殺気"を描く、心を描くとは──探し求める芳年が辿り着いたのは、屍累々たる上野のお山だった… 弟子である金木景年の描いた、理知的な額で背筋を伸ばして折り目正しく羽織袴を着た芳年像とは少し違った、どちらかと云うと北斎のような雰囲気のある本作の芳年。芸の道を極めようとする真摯さは北斎にも芳年にも共通なのかもしれません。北斎に無く芳年に有るのは"苦悩"か。その芳年の苦悩が"殺気"という心を追い求める形で表現されています。吉原の女郎さんが里言葉つかってくれないのがちょっと寂しかったなあ。

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0
図書館本/第6回松本清張賞受賞作。幕末から明治初期に活躍した月岡芳年の人生を切り取った作品。彼は己の絵に足りないものがあると気付いた。それは「殺気」である。上野の彰義隊と官軍が睨み合っていた時期、芳年は不忍池で目撃した黒頭巾による惨殺劇が頭から離れない。時代小説にして、ミステリー的な要素も滲ませた傑作。大変面白く読ませて頂きました。 2022/04/04

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