出版社内容情報
清の乾隆皇帝に、宮廷画家として仕えたイタリア人宣教師・カスティリオーネ(郎世寧)の数奇な半生と葛藤を描く、異色の庭園小説
内容説明
清の乾隆帝に宮廷画師として仕えた、イタリア人宣教師ジュゼッペ・カスティリオーネ(中国名=良世寧)。かれが描いた数々の絵画と、北京の離宮につくった西洋庭園をめぐる謎の物語。その庭にかくされた秘密をさぐり、皇帝と宣教師の東西の相克を描く、異色の庭園小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
umeko
7
絶対的な権力を持った乾隆帝と、宣教師カスティリオーネ。全く異なる二人の持つ文化が、西洋風の庭園に閉じ込められたような神秘を感じました。イタリア人が造った西洋の庭園を、皇帝はどのような思いで見つめていたのかと思いを馳せずにはいられません。2012/10/06
ウメ
5
カスティリオーネの絵が見たくて台湾の故宮博物院まで行ったのだが。悲しいかな1枚も展示されておらず!(常設展というシステムではないようで)いつの日か、本作に出てきた作品を直接見られる日がきますようにー。2014/08/22
saba
2
あー面白かったー。図書館本だが、手元に置きたくなり読了前に購入。博学で漢文の素養豊かな(というもおこがましい)人の文章の見事なこと。。挿図も豊富だしこれは断然ハードカバーだな!乾隆帝と宣教師の関係性の実態に近いのは此方だったかも。信仰って、人をして故郷を遠く離れて布教に赴き、そこで果てさしめる強い力もあるけれど同時に我欲。各章は「ぬ…終わりかよ?」という幕引きが多いのだが、全編読み終わってもやっぱりどこかに袖口か裾を引っ掛けたままのような気持ちの残る構成がたまらない。澁澤龍彦を彷彿させるのよな…。よし次!2021/04/01
しまりんご
2
北京の円明園にまつわる史実に基づくフィクション。清朝で皇帝に仕えた西洋人宣教師の物語というマイナーなテーマだが、個人的に乾隆帝時代の美術、特に宣教師アティレについて知りたくて読んだ。今は廃墟となってしまった円明園にぜひとも一度足を運びたい。2011/02/23
龍國竣/リュウゴク
0
ポッツォの『建築と絵画の遠近法』が序盤に登場し、『聖フランシスコ・デ・ザビエル書翰抄』が引用され、さらにはカスティリオーネらによる銅版画が挿絵として使用される。史実を織り込みミステリーの要素も併せ持つこの小説には、迷宮という言葉が相応しい。2014/07/22
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