出版社内容情報
いつも途方に暮れていた。就職、恋愛、小説……。うまくいかないのは何故?懸命に未知の扉をおす「ぼく」と仲間たち。体験的模索小説
内容説明
ひたむきに生きたあの頃―若く傷つきやすい人生の模索期を共有したぼくと仲間たち。いたましくも光にみちた青春の物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
袖崎いたる
13
著者の思い出の作品化。描かれているのは「書く」ということについての物語だといえる。「書くという行為は、何ものかに向かってあてられた極めて個人的な私信なのだ」(p351)と著者は自答する。私信とは送る側と送られる側、そして両者の意思伝達を保証するシステムの側という、G・H・ミード的な潜在的三者関係の構図を表象させる。著者はリビドーという語を使って「書く」欲望を己の生に結びつけるに至る。その致し方なき己が生の感慨を抱きながら彷徨する精神の溜息は実に人間らしい、換言すれば愛され難さに、いわば瑠璃色に輝いている。2016/02/03
爽
12
これは夢枕貘さんの話じゃないよね?物語だよね?と時折現実と被るので、確認しながら読んだ。1つのことばかりで、ほかのことは全部疎かで。もっとまっとうに生きたらいいのに、と思いつつ、泥くさくて熱を感じる話だった。今の時代にはない生き方かもなあ。2018/03/24
はかり
10
これは題名からして夢枕の自叙伝とは思えない。意外だったが、夢枕の人生は面白い。いろんな変人との付き合いがある。ともかく作家として成り立ったのは凄いこと。書きたいことが次々に湧き出てくるので、人生が終わるまでには尽きないというのもすごいこと。2018/12/05
ぷかり
1
すごい熱量。久しぶりに夢中で読んだ。2022/08/17
犬一
1
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