出版社内容情報
中国地方の小国城主毛利元就の許に鬼吉川の娘が輿入れした。明るい妻に励まされながら戦国乱世を生きぬく元就を描く長篇歴史小説
内容説明
大内氏と尼子氏の間で、たえまなく翻弄されながら次第に実力をつけ擡頭していく元就とその妻の物語。戦国を描く長篇小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Kiyoshi Utsugi
4
下巻では、元就とおかたの娘(隆元と元春の間)が宍戸隆家に嫁ぐところから、天文14年(1545年)に47歳でおかたが亡くなるところまでを描いています。 おかたが亡くなる頃にはまだ、尼子のうわばみ、大内の蝮の間で何とか吉田郡山城を守る毛利蛙でしかなく、三男の隆景は小早川の養子になっていますが、次男の元春は吉川家を継いでもいませんでした。 元就と結婚してから27年の間、愚痴っぽい元就の話を聞きながら、のんき者というか大らかなおかたが慰めるという絶妙のコンビネーションが上手く描かれていると思います。2019/08/30
美代子
3
元就の人生は、妻おかたありきだったのかもしれない。おかたが居たらどんなによかったらなあ、とぼやく元就はただの人間だった。それにしても、小三太、通が出る場面には鳥肌!良い小説だなあ。2014/09/13
てり
0
おかたの死まで。元就がまだ有力国人だった頃に亡くなったんですね。合戦や勢力争いの描写も多いが、夫を思う妻、子を思う母としてのおかたのあり様が印象的。戦国時代の夫婦のあり方のひとつとして堪能。2022/01/28