おろしや国酔夢譚

おろしや国酔夢譚

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  • サイズ B6判/ページ数 332p/高さ 20X14cm
  • 商品コード 9784163129600
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

ロシアに漂着した大黒屋光太夫は極寒のシベリアを横断し、女帝に謁して十年後故国に帰った。しかし幕府はこれに終身幽閉で酬いる

内容説明

天明二年、紀伊家の廻米を積んだ神昌丸は伊勢・白子の浦を出港し、江戸へと向かった。まもなく激しい嵐に遭遇、船頭・大黒屋光太夫以下17名の乗員は舵を失った船で漂うこと8カ月、ようやくアムチトカ島に漂着する。孤島での4年間の生活の中で一行は次々と斃れ、残るは9名。光太夫は流木を集めて船を組み、カムチャッカ半島へ向う決意を固めた。オホーツクからヤクーツク、イルクーツク、さらに女帝エカチェリーナ2世に帰国願いの直訴をすべく、西の果ての都ペテルブルグへと、厳寒のシベリアを越えてソリの旅が続く。女帝の前で卑屈になることなく堂々と謁見を了えた光太夫は、許されて遂に故国の土を踏む。あの嵐の日から実に10年。しかし、鎖国の世に〈世界〉を見てしまった男を待ち受けていた運命は…。かつて日本人はかくも輝いていた。大歴史小説。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

かおりんご

30
小説。やっと読み終わりました。大黒屋光太夫がロシアに漂流してから日本に戻るまでの話。こんな日本人がいたなんて知りませんでした。先の見えないロシアの生活も不安だろうなと思いましたが、帰国してからの幽閉生活も辛かったと思うと、どちらの生活がよかったのか悩むところです。光太夫たちの漂流生活から115年後に、広瀬武夫がロシアに留学。その7年後に日露開戦。幕府は幽閉しておかないで、もっとロシアのことを知っておけばよかったのにと思います。光太夫から学んだことは、強く願えば実現するということ。不可能は可能になるのです。2014/02/11

sakadonohito

9
江戸時代、伊勢の船が漂流しアリューシャン列島のとある島に漂着してからその生き残りの一部が日本に戻ってくるまでを書いた本。史実に基づいて書かれた伝記もののようなフィクション。史実に即しているのでちゃんと?容赦なく人があっけなく死ぬ。現実は甘くない。日本に戻れたものの監視下に置かれ生活の自由がほぼ無かった側と、日本に戻れずイルクーツクに日本語教師として残った側とで、どちらがより幸せに過ごせただろうか。終盤舞台が日本に移ると、堅苦しく古めかしい日本語(武家言葉?)が増えて読み辛くなり、集中力が削がれた。2024/07/24

ナディ

1
光太夫の気持ちを考えると悲しくなる。自分が見聞きしたことを祖国に持ち帰りたいと、いろいろしてきたのに…。日本を思いながら、異国で死んでいった仲間、異国に残った仲間。ロシアに残った方が、光太夫も磯吉も幸せだったのでは。2013/03/22

YAMA

0
光太夫が日本に帰れたことが本当に幸せだったのか。だからといって、ロシアに残ったメンバーが幸せだったかといえばそれはNOだろう。当時はとてつもなくロシアが遠かった。現代でいえばどこかの星に取り残されたような感覚だろうか。そんな自分にとって縁もゆかりもない、言葉も通じない場所でどうやって生きる目標を見つければいいのだろうか、そんなことを考えた。2013/10/13

N

0
古本屋てハードカバーのかなり古いものを発見し買った。司馬遼太郎の菜の花の沖は既読であったがこちらの方が背景の時代が古く興味深く読めた。菜の花の沖を再読しようと思う。2023/01/02

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