出版社内容情報
「すべての上に死がやってくる」――
蒙古の王に囲われた女・ナンが自らの欲望に気づくとき、メナムの街は滅びに向かいはじめる。
長らく司馬遼太郎の幻のデビュー作と言われた「ペルシャの幻術師」に『月と金のシャングリラ』の蔵西が挑むコミカライズ。
ペルシャの美姫・ナンと幻術師アッサムの幻想と愛と滅びの物語は、ついに完結へ。
ペルシャの町、メナムで美姫・ナンが出会った幻術師の男は、モンゴル軍の大鷹汗・ボルトルを殺そうとする者だった――。
自分を10日以内に殺せなければ、幻術師・アッサムとメナムの全市民の命を奪うというボルトル。
しかし、ナンとボルトルはアッサムの幻術にはまっていき、しだいに幻想の世界の中へ……。
ボルトルに囲われ、籠の中の鳥だったナンは、自らの欲望に気づき、思いのまま生きていくことを望む。
そして、メナムの街には、死がやってくる――。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
うさぎや
5
完結。優勝はナンということで。2022/05/25
新天地
2
幻術師・アサッムは蒙古軍大将のボルトルの命を狙うとともに彼が求愛する美姫・ナンを幻惑するが、アッサム自身もまたナンに特別な想いを抱き始める。さらに男達に翻弄されるナンにもまた自分の真の願いを持ち始めそれは次第に具体性を持ち始めていく。回を重ねる程に妖しい美しさを持ち始めより幻と現の境が曖昧になり物語は急展開を迎える。ナンが願いと言うか自分の意志を持つほど対比としてボルトルが野蛮で哀れに思えてくるのが印象的だった。後日談では諸行無常と途絶えることのない人の営みが描かれていて歴史のダイナミズムも確かにあった。2023/08/20
森田
1
全体的に、クオリティが絶妙に不安定 でも、表紙が素晴らしいと思ったから、私はこのマンガをずっと手元に置く2022/05/31