出版社内容情報
故郷石垣島の味。ささやかだが忘れがたい出来事。おおらかな島人の言行。過ぎし日々、逝きし人を愛惜こめて綴る南島グラフティーおかしな出来事。懐かしい味。気のきいた小咄。ほろりとする実話・・・・。
大昔から、南島では愉快でおかしな話、気のきいた話が折りにふれて、祖父母、両親、友だちから子や孫、隣近所に口伝えらされてきた。
一例をあげましょう。
〈ある事で失敗して孤立無援の状態にある先輩を激励に訪ねたら、本に囲まれた小さな書斎で読書をしていた。
「すごい本ですネ」と僕が言うと、
「四面書架ッ」
これなら大丈夫だと思った〉
などなど、ときにジーンとさせられ、どこから読んでも、面白い!
卓越したエスプリ、巧まざるユーモア、脈打つ自由の精神。
八重山に行きたくなること、請けあいます。お尻が思わず浮く名随筆です。
宮城 信博[ミヤギ ノブヒロ]