出版社内容情報
「実践的」「ビジネスに役立つ」と喧伝され、世間で注目を集めてきた行動経済学だが、いまその有効性に疑惑の目が向けられている。行動経済学会会長が、歴史的経緯を振り返りながら、理論を基礎から紐解き、その批判を徹底検証。学問的な意義を明らかにする。
内容説明
経済学に心理学の知見を取り入れ、新たな地平を切り拓いた行動経済学。「ビジネスに役立つ」と脚光を浴びる一方で、実はその成果に疑惑の目が向けられている。“損失回避性”などの主要な主張には根拠が乏しく、行動変容を促す“ナッジ”にも効果がないとする批判だ。心理実験を中心に「再現性のなさ」が問題視されるなかで、行動経済学はもはや学問として「死」を迎えているのか。行動経済学会・会長が、歴史的経緯から最新研究まで踏まえ、徹底検証。真相を解き明かし、その学問的意義をとらえ直す。
目次
第1章 行動経済学の核となる「損失回避性」への疑問(行動経済学は死に瀕している―フレハの主張;損失回避性を示す証拠はない―イェキアムの指摘 ほか)
第2章 実社会で活用が進む「ナッジ」の有効性への疑問(ナッジに効果はない―フレハの主張;ナッジの定義の再検討 ほか)
第3章 経済学における「再現性危機」と対策の現状(仮説検定の手順;仮説検定の実例―カイ二乗検定 ほか)
第4章 「行動経済学の死」の真相(「囚人のジレンマ・ゲーム」と合成の誤謬;市場実験での合成の誤謬 ほか)
著者等紹介
川越敏司[カワゴエトシジ]
公立はこだて未来大学システム情報科学部複雑系知能学科教授。行動経済学会会長。大阪市立大学大学院経済学研究科前期博士課程修了、博士(経済学)。1970年、和歌山県和歌山市生まれ。埼玉大学経済学部社会環境設計学科助手等を経て、2013年より現職。専門分野はゲーム理論・実験経済学。趣味はバロック・フルート演奏、チェス・プロブレムや漢詩の創作(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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