火星の女王

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火星の女王

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  • サイズ 46判/ページ数 320p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784152104694
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

地球外知的生命の探求のために人生をかけて火星にやってきた生物学者のリキ・カワナベは、とある重大な発見をする。いっぽう火星生まれの少女、リリ−E1102は、地球へに観光を夢みて遠心型人工重力施設に通っていた。様々な人の想いが交錯する人間ドラマ。

内容説明

地球外知的生命の探求のため、人生をかけて火星にやってきた生物学者のリキ・カワナベは、スピラミンという物質の結晶構造の変化を発見する。いっぽう火星生まれの学生、リリ‐E1102は、地球に観光に行くことを夢みて遠心型人工重力施設に通っていた。地球で種子島在住の白石アオトは、ISDA職員として働きながらリリとの約束を思い出していた。カワナベの発見が世界を揺るがすとき、リリの身にも危機が迫り―地球と火星、遠く離れたふたつの星をめぐって人々の心が交錯していく壮大な人間ドラマ。

著者等紹介

小川哲[オガワサトシ]
1986年千葉県千葉市生まれ。2015年『ユートロニカのこちら側』で第3回ハヤカワSFコンテスト大賞を受賞しデビュー。2017年『ゲームの王国』(以上、早川書房刊)で第38回日本SF大賞、第31回山本周五郎賞を受賞。2022年『地図と拳』で第13回山田風太郎賞、翌年同作で第168回直木三十五賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

starbro

201
小川 哲は、新作中心に読んでいる作家です。 本書は、22世紀、火星を舞台にした群像劇でした。 NHKのドラマ化が決まっているようです。 https://www.nhk.jp/g/blog/2qeg1esst/ しかし21世紀の今の状況からすると、100年後でも火星には共住できていない気がします。 https://www.hayakawa-online.co.jp/shop/g/g0005210469/2025/11/27

パトラッシュ

179
宇宙植民地独立運動がテーマのSFは『月は無慈悲な夜の女王』を基準に考えるが、残念だがハインラインほどの壮大さもドラマ性もなかった。舞台である火星と地球との距離が絶望的に遠いため、戦争も政治も双方でノロノロ進むしかなくエンタメとしての迅速な展開が望めない。問題のカギを握る物質スピラミンの有用性について漠然としたままで、火星市民を独立に駆り立てるには弱すぎる。黒幕である富豪マディソンが権力欲のない人とされ、悪や陰謀がほぼ描かれない。スペオペでないにせよ読ませる力となる強烈なアイデア不在はSFとしては致命的だ。2025/11/09

ふみあき

104
優しさと愛にあふれたSF。だけど優しさと愛にあふれたSFなんて、わたしは読みたかない。『ユートロニカのこちら側』や『ゲームの王国』みたいなトガったSF長篇が、もう一度読みたい。2025/11/01

ケンイチミズバ

87
地底湖での発見が地球と火星の優位性を逆転させるかもしれない期待。火星ファーストとなるのか?火星から資本の撤退を阻止できるに十分な発見なの?スピラミンは未知の資源、生命なのか、発見自体がでっちあげの張ったり、陰謀か、策略か。新大陸発見時代ではあるまいに、植民地化でもないのに独立と自立は違うと思う。火星が地球から独立する意味が弱い。地球に依存することから自立ができていない関係では精神的支配からの脱却だけ。それは心の中だけ、頭の中だけでの問題で済むことではないだろうか。大気組成の違いで火星の夕焼けは青いらしい。2025/11/14

道楽モン

81
メディアミクス前提で、本書がテレビドラマの原作となるらしい。企画ありきだが、ストーリーその他の制限は無かったとの事で、お題からどこまで話を展開させられ得るかという、作者の技量を試されるものだ。SFをフォーマットとして、近未来の地球人から独立クーデターを企てる火星移住者との群像劇。中編としては器用にまとまった感はあり、種明かしされた謎も、キャラクター造形も面白く読めるものとなった。とはいえ読み手の想像を喚起し、未知の感動に導く程の手応えは感じられない。物語の構成や会話文体は確実に技量を上げている。次に期待。2025/11/16

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