出版社内容情報
ゴッドが好きな高校生の詩郎が出逢った、自分が空想で創ったはずの神の正体とは……? 地元の名士が殺害され、脅迫していたという謎の怪人・蠱毒王とは何者か……? 二つの迷宮的な事件が複雑怪奇に絡み合い、恐ろしいカタストロフィが待ち受ける本格超大作!
【目次】
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yosa
9
一気読みするしかなかった。これは純度の高い飛鳥部勝則(当たり前)だ。過去作を全て読んでいるわけではありませんが、一等密度の高い作品だと感じました。導入が素晴らしくて、この本に何らかの期待をした全ての人が満足するのではないかと思います。さすがに中弛みしてる気がしますがそんなの全然関係なくていやあ凄い。そういう作者だと知っているのに何なんだこの過剰な刺激は。飛鳥部作品としてはバランス取れている方だけれど、バランス崩れてるのも面白さになる作家だから好みは別れるかもしれません。私は満足。好きな人は迷わず手に取れ。2025/08/24
魄
2
平成と令和・本編と作中作が錯綜し、やがてひとつの世界へと辿り着く。果たして怪人と怪神は実在し得るのか、ミステリとして破綻していないだろうかという不安は杞憂でしかない「これぞ飛鳥部勝則!」と拍手喝采したくなる超大作だった。独特な会話内容、美しいのに残酷極まりない場面の数々、次々と登場する癖が強く胡散臭い登場人物たち、そして極上の謎(犯行動機には「エッ」とおかしな声が出た)乱歩で育った人間ならば子供時代のあのときめきが蘇ること請け合い。これでもかと好きな要素が盛り込まれており終始ニヤつきながら読ませて頂いた。2025/08/25
マダムの二頭筋
1
読了致しました。 ホラー、バイオレンス、ミステリ、ジュブナイル、様々なジャンルをごった煮にした混沌の味。 堕天使拷問刑(飛鳥部さんの他作品はまだこれしか知らない)と全く同じ読み味だ……。 最後にエモい感じで締めるので読後感はかなり良いのだが、なんだか化かされた気分になる。 大分変な話だったはずなのに! 最高でした。2025/08/25