通り過ぎゆく者

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  • サイズ 46判/ページ数 576p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784152103093
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

出版社内容情報

1980年、ミシシッピ州。サルベージダイバーのボビーは深海に沈んだ飛行機に潜るが、それ以降、周囲に不穏な影が見え隠れしはじめる。亡き妹への思いを心の奥底に抱えたまま、彼は広大で無情な世界をさまようが……。アメリカ文学の巨匠が描く喪失と受容の物語

内容説明

一九八〇年。ルイジアナ州の沖に小型飛行機が沈んだ。サルベージダイバーのボビー・ウェスタンは、海中の機内で九名の死者を確認する。だがブラックボックスがなくなっており、彼は十人目の乗客がいたのではないかと推測する。この奇妙な一件の後、彼の周囲を怪しい男たちがうろつきはじめる。徐々に居場所を失った彼は、追われるように各地を転々とする。テネシー州の故郷の家、メキシコ湾の海辺の小屋、雪に閉ざされた古い農家―原爆の開発チームにいた父の影を振り払えないまま、そして亡き妹への思いを胸底に秘め、苦悶しながら。喪失と絶望を描き切ったアメリカ文学の巨匠、最後の二部作。妹の物語を綴る長篇『ステラ・マリス』と対をなす傑作。

著者等紹介

マッカーシー,コーマック[マッカーシー,コーマック] [McCarthy,Cormac]
1933年、ロードアイランド州生まれ。大学を中退すると、1953年に空軍に入隊し四年間の従軍を経験。その後作家に転じ、“国境三部作”の第一作となる『すべての美しい馬』(1992)で全米図書賞、全米批評家協会賞をダブル受賞した。第十長篇である『ザ・ロード』(2006)はピュリッツァー賞を受賞し、世界的なベストセラーを記録。2022年には、実に16年ぶりの新作となった二部作『通り過ぎゆく者』『ステラ・マリス』(以上、すべて早川書房刊)がアメリカで刊行され、惜しくも翌年にマッカーシーはこの世を旅立った

黒原敏行[クロハラトシユキ]
1957年生、東京大学法学部卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヘラジカ

46
熱心にコーマック・マッカーシー作品を追ってきた読者なら、これが「白鳥の歌」であることを頭に置かずとも所謂の集大成的な作品であることが意識されるだろう。取り分け特異な兄妹の関係性を見ると、先に邦訳が出版された初期の作品『アウター・ダーク: 外の闇』を思い浮かべずにはいられないはず。筋書きは茫漠としており一読で全貌を掴むのは到底不可能だが、ところどころの対話や描写には最高傑作『ブラッド・メリディアン』を髣髴とさせる気迫を感じた。詳細な感想は『ステラ・マリス』へ。2024/03/17

こうすけ

25
マッカーシーの遺作、二部作のうちの前編。ノワール風味の陰謀が出てくるが、その正体が解き明かされたりすることはなく、あくまで主人公の旅立ちの動機に過ぎない。妹や父との関係が絶妙に隠されたまま、物語はどこかわからない行き先へ向けて進んでいく。被爆地の描写、物理学の議論、ケネディー暗殺の真相など、本筋と関係ない部分がやはり魅力的。マッカーシーらしく、一見物語が終わってからの、長大なエピローグ的なお話は健在。最晩年でもぶれることなし。死者との対話とか第六感とかわりと好きだよね、マッカーシーさん。2025/06/16

特盛

25
評価3/5。難解ホークス。米文学巨匠遺作2部作。小型飛行機が海に墜落。乗客が一人消え、ブラックボックスが無いのを主人公は発見する。・・ミステリ小説?と思ったが、映画でいうと編集前の抽象的カットの数々を延々4時間見た感じ。主人公を通り過ぎる様々な出来事の淡々とした叙述が続く。心中描写はほぼ無い。「」のない雑談とノイズ的カット。精神を患う妹の長い妄想、現代物理史、社会底辺層の哲学、ケネディ暗殺陰謀論、など。彼は何かから逃げる。妄想が人生を侵食する。そして、あれ・・終わり?飛行機は?の結末。妹視点、読むか迷う2024/05/02

田中

20
マッカーシーの悲嘆が静寂に包まれる。「通り過ぎゆく者」とは我々を指す。危険な仕事、無管理なろくでもない作業所は労苦である。ウェスタンは愛する妹を亡くし悔恨の情が惨めさを募る。誰も彼も重荷を抱え生きているのだ。唐突に連邦機関に監視されてしまい被支配者になってしまう。現世は実に不条理な世界である。魂が奈落の底に沈んで絶対的な孤独になると「キッド」が現れる。猥雑さをまといながら。「キッド」は、心の深奥の闇に潜む自分自身の奇声なのだ。世界の実態は、「命の喪失」で成り立っている。その宿命性をさとらせる一冊だ。 2024/06/13

くさてる

19
参ってしまった。とにかく難解だし、ストーリー展開は雲をつかむようだし、読みにくいし、内容の4割も理解できていない自信があるのに、たまらなく感動してしまった。泣いてしまった。すぐれた小説とか、文学にはこれがある。知ってる。いちど読み終わった後、もういちどページを開く。すると、そこで見つかる一文一文にひっかかる。この一文が書けたら死んでもいい作家もいるんだろうなと思うような、美しいとしか表現できない言葉が見つかる。ひとつひとつ積み上げられたその世界の中で、わたしは言葉を失うしかない。傑作です。2024/06/04

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