出版社内容情報
リュルネソスの王妃ブリセイスは、敗戦後、奴隷となった。その主は、家族と同胞を滅ぼした英雄アキレウス。彼女に与えられた選択肢は、服従か死か。だが、彼女が選んだのは――。英国の戦争文学の旗手が、黙殺されてきた女たちの声で『イリアス』を語り直す。
内容説明
トロイア戦争、最後の年。トロイアの近隣都市リュルネソスが、ギリシア連合軍によって滅ぼされた。都市の王妃ブリセイスは囚われ、奴隷となった。主は、英雄アキレウス―彼女の家族と同胞を殺した男。ブリセイスは、やはり「戦利品」として囚われたイーピスらと、新たな日常を築いていく。ところが事態は急変する。アキレウスと不仲である総大将アガメムノンが、ブリセイスを無理やり自分のものにしようというのだ。男たちの争いは激化し、軍内部は混乱を極める。そんななか、女たちに与えられた選択肢は、服従か死か。だが、ブリセイスが選んだのは―。戦々の戦争小説を手掛けてきたブッカー賞作家が、西洋文学の起源にある暴力へ遡り、抑圧された者たちの声を高らかに響き渡らせる傑作歴史小説!
著者等紹介
バーカー,パット[バーカー,パット] [Barker,Pat]
現代イギリスを代表する作家のひとり。1943年、ノースヨークシャーにて労働者階級の家庭に生まれる。大学で国際関係史を学び、歴史と政治の教師となる。1982年に最初の小説『アイリスへの手紙』を発表すると、文学賞を受賞するとともに映画化され、一躍注目を集めた。作家としての地位を確立したのは、第一次世界大戦を題材とする“再生 Regeneration”三部作(1991年~1995年、未邦訳)。とくに第三作The Ghost Roadは1995年のブッカー賞を受賞し、2008年にはベスト・オブ・ブッカー賞の候補ともなった。2000年、功績がたたえられ、大英帝国勲章(CBE)を受章した
北村みちよ[キタムラミチヨ]
英米翻訳家。東京女子大学文理学部英米文学科卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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