出版社内容情報
鳴海 風[ナルミ フウ]
著・文・その他
内容説明
「将軍家に尽くすべし」という会津藩『家訓』や「ならぬことはならぬものです」という『什の掟』の厳格な教え。それに従い、利代は九歳の駿が数学に打ち込みたいのを知りつつも、会津武士として厳しく育てた。やがて尊王攘夷が倒幕へと傾き、薩長が官軍と称して会津に押し寄せる中、十六になった駿は白虎隊に身を投じる。利代は駿に死ぬ覚悟をつけさせるべく、己のなぎなたで徹底して稽古をつける。藩主のために命を捨てろと、利代は心を鬼にして我が子を戦いに送り出すが…。会津に生きた母と息子の強い絆と鎮魂の物語。
著者等紹介
鳴海風[ナルミフウ]
1953年新潟県生まれ。東北大学大学院機械工学専攻修了。江戸時代の数学をテーマにした和算小説を発表しており、主な作品に歴史文学賞を受賞した『円周率を計算した男』(1998年)や、青少年読書感想文全国コンクール(中学校の部)の課題図書になった『円周率の謎を追う江戸の天才数学者・関孝和の挑戦』(2016年)などがある。和算家を題材とした歴史小説により、数学の普及に貢献したことから、2006年度日本数学会出版賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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