地下道の鳩―ジョン・ル・カレ回想録

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地下道の鳩―ジョン・ル・カレ回想録

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  • サイズ B6判/ページ数 368p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784152096746
  • NDC分類 930.28
  • Cコード C0098

出版社内容情報

イギリスの二大諜報機関MI5とMI6に在籍していたことを明かし、詐欺師だった父親の奇想天外な人生を打ち明ける。スマイリーなどの登場人物のモデル、紛争地域への取材、小説のヒントになった出来事、サッチャーをはじめとする要人との出会いも語る話題作

ジョン・ル・カレ[ルカレ ジョン]

加賀山 卓朗[カガヤマ タクロウ]

内容説明

東西冷戦、中東問題、ベルリンの壁崩壊、テロとの戦い―刻々と変化する国際情勢を背景に、ル・カレは小説を執筆し、『寒い国から帰ってきたスパイ』、『ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ』に始まるスマイリー三部作、『リトル・ドラマー・ガール』などの名作を世に送り出してきた。本書は、巨匠と謳われる彼の回想録である。その波瀾に満ちた人生と創作の秘密をみずから語っている。イギリスの二大諜報機関MI5とMI6に在籍していこと。詐欺師だった父親の奇想天外な生涯と母親、家族のこと。ジョージ・スマイリーなどの小説の登場人物のモデル。中東などの紛争地帯での取材やソ連崩壊前後のロシアへの訪問。二重スパイ、キム・フィルビーへの思い。PLO(パレスチナ解放機構)のアラファト議長、“ソ連水爆の父”サハロフ、サッチャー首相らとの出会い。作家グレアム・グリーン、ジョージ・スマイリーを演じたアレック・ギネス、キューブリック、コッポラなどの映画監督との交流と、実現しなかった数々の映画化の企画。謎に満ちた作家ル・カレの真実が明かされる、読書界待望の話題作。

目次

秘密情報部を厭うなかれ
グロプケ博士の法律
公式訪問
引き金にかかった指
心当たりのあるかたへ
イギリスの司法制度
イワン・セーロフの背信
遺産
無実の男ムラット・クルナズ
現地に出かける〔ほか〕

著者等紹介

ル・カレ,ジョン[ルカレ,ジョン] [Le Carr´e,John]
1931年イギリスのドーセット州生まれ。オックスフォード大学卒業後、イートン校で教鞭をとる。東西冷戦期にイギリスの諜報機関MI5に入ったが、MI6に転属し、旧西ドイツのボンにイギリス大使館の二等書記官として赴任、その後ハンブルクの総領事館に勤務した。1961年に『死者にかかってきた電話』で小説家としてデビュー、第三作の『寒い国から帰ってきたスパイ』(1963年)でアメリカ探偵作家クラブ(MWA)賞最優秀長篇賞と英国推理作家協会(CWA)賞ゴールド・ダガー賞を受賞した

加賀山卓朗[カガヤマタクロウ]
1962年生、東京大学法学部卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

115
彼の作品は昔にかなり読んでいてその緻密な構成などに引き込まれたものでした。最近は東西冷戦の時代も過ぎて彼の活動の場が少なくなりましたが、この自伝というか回想録を読んで「事実は小説よりも奇なり」という言葉を思い出しました。特に父親のことを書いたところは小説ではないかとも思ってしまいました。2017/05/28

Panzer Leader

43
スパイ小説の巨匠ル・カレの回想録。政治家・俳優・映画監督・著名人との出会いと交流、執筆作品の成り立ちやストーリー・登場人物のモデル、映画化されたりされなかった作品の裏話、そして父親との確執などが皮肉とユーモアに包まれて語られている。小説と違って読みやすい上、本作だけでも充分楽しめるが、ル・カレの他の小説を読み返したくなる罪作りな作品でもある。2017/08/03

ぐうぐう

32
ジョン・ル・カレ、85歳にして初の回想録。自伝とは趣きが違う。生い立ちから時系列に語られているわけではない。38章で構成された本書は、ひとつの章でエピソードが独立しており、時代も舞台も主題もてんでばらばらで、ル・カレが思い付くまま綴ったような印象を受ける。ゆえに、どこから読み始めてもいいスタイルとなっているのだ。小説家になる前のスパイ時代のこともかなり赤裸々に語られている。ベストセラー作家となり、世界の要人と会ったときのエピソードも、今だからこそ話せる内容で興味深い。(つづく)2017/05/06

hideo

26
「寒い国からきたスパイ」の作者。エスピオナージノベルスの代表作品。この本は、本の名の如く作者の回想録。この本を解説している、手島作品につられて読んだが、諜報活動の歴史を知らないとあまり楽しえない。私もその1人。後半の父親部分が興味深い。2018/02/09

ヘラジカ

26
回想録らしからぬ題名の由来を明らかにする序文から、最後の謎の金庫を巡る逸話まで、40篇(序文含めて)どれをとっても余さず面白い。著者自身の小説作品と同じくらい楽しめたと言っても言い過ぎにはならないと思う。難解なまでに緻密な作品を書ける理由、政治・文化両面の要人たちとの出会い、大きな影響を及ぼした父親との思い出など、ル・カレの生涯に関するあらゆるエッセイが詰め込まれた一冊という感じ。現在同時進行で読んでいる『ナイト・マネジャー』にも触れられていてとても嬉しかった。予習がてら読み始めた甲斐があるというものだ。2017/03/11

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