ハヤカワ・ノンフィクション<br> 日本‐喪失と再起の物語〈上〉―黒船、敗戦、そして3・11

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ハヤカワ・ノンフィクション
日本‐喪失と再起の物語〈上〉―黒船、敗戦、そして3・11

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  • サイズ B6判/ページ数 352p
  • 商品コード 9784152094940
  • Cコード C0036

出版社内容情報

失われた20年、3・11をへて、この国はどこへ向かおうとしているのか? 英国人経済ジャーナリストによるポジティブな新・日本論

開国、敗戦、そして大震災。相次ぐ困難の中でこの国は常に並外れた回復力を発揮してきた。村上春樹から被災地住民まで多くの生の声を元に日本の多様性と可能性を描く。海外メディア絶賛の話題作

内容説明

名門経済紙“フィナンシャル・タイムズ”の東京支局長を務めた英国人ジャーナリストが、3・11を起点として描き出す日本の実像とは?近・現代史への確かな理解をもとに、安倍晋三、稲盛和夫、村上春樹、桐野夏生、古市憲寿ら著名人から東北の被災地住民まで、多くの生の声と豊富な経済データを織り交ぜ、日本の多様性と潜在力を浮かび上がらせる。海外メディアを絶賛を浴びた画期的傑作。

目次

第1部 津波(津波―二〇一一年三月一一日、陸前高田;逆境をバネにする―被災地を歩いて)
第2部 「二重に錠のかかった国」(島国であることの意味―日本人論の虚実;「脱亜」への決意―日本外交のルーツをたずねて)
第3部 失われて戻ってきた二〇年(無限級数のように―奇跡の戦後復興;転落の後に―転機としての一九九五年)
第4部 ポスト成長神話(ジャパン・アズ・ナンバースリー―日本衰退論の嘘;リーゼント頭のサムライ―小泉純一郎とその時代)

著者等紹介

ピリング,デイヴィッド[ピリング,デイヴィッド] [Pilling,David]
“フィナンシャル・タイムズ”紙(FT)のアジア編集長。2002年1月から08年8月まで同紙の東京支局長を務める。現在は香港を拠点に、中国、インド、東南アジアなどアジア各地を取材し、企業活動、投資、政治・経済などに関する時評や記事を執筆。1990年よりFT紙に加わり、チリ、アルゼンチン特派員、製薬・バイオ関連産業担当などを経て現職。The Society of Publishers in Asia Award、Editorial Intelligence Comment Award(UK)など受賞歴多数

仲達志[ナカタツシ]
翻訳家。“ニューズウィーク日本版”の創刊に参加し、副編集長として欧米ジャーナリストによる独自取材班を担当。その後、ポータルサイト「MSN」でウェブマガジンやニュースサイトの創設に携わり、マネージングエディターを経て、現在、フリー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おさむ

40
外国人による日本論は星の数ほどありますが、英経済紙FTの元東京支局長の本作品はなかなか読みごたえがあります。近現代の日本史を振り返りつつ、経済指標の推移に藤原正彦や村上春樹らのインタビューも織り混ぜ、日本人異質論等の従来型解釈の虚実を指摘。オーソドックスな主張を展開しています。下巻にも期待したい。2015/11/10

まーくん

33
フィナンシャル・タイムズ紙の元東京支局長が3.11に触発されて、以前の勤務地、日本の姿をその近現代史を振り返って描く。国内で日本人同士が議論する際には、当たり前のこととして議論にもならないことが、案外重要な事であったりすることを気づかされる。浅い知識に基づくステレオタイプの日本論ではなく、少し距離を置いて観察して本質的なところを捉えてるように感じた。気になるのは、バブル崩壊後の失われた10年(20年?)に対する評価、経済指標が悲惨な状況を示してるにも拘らず国民の生活水準は依然豊かであると。本当かな?下巻へ2018/02/16

くさてる

31
とても面白かった。7年間特派員として日本に住み、東日本大震災を機会に、日本について本を書こうと決意した、英国人ジャーナリストによる日本文化と歴史論。良い所も悪い所も含めた日本の特性を、危機の時代に絡めて分析していく姿勢はとても誠実で読み応え有った。多くの日本人に取材した経験が生かされており、村上春樹や石原慎太郎なども登場します。個人的にいちばん面白かったのは、小泉純一郎を分析した「リーゼント頭のサムライ」。下巻も期待です。2015/07/14

Tui

29
開国から太平洋戦争を経て東日本大震災に至るまでをたどる、日本の近現代史。外国人著者のステレオタイプが時折顔を覗かせるのはご愛嬌。それを差し引いても、日本人による主観バイアスよりはずっと信用できます。著者いわく「日本関連の報道に目立つどこまでも悲観的な論調は、箸にも棒にも掛からない1980年代の日本賛美論と同じくらい見当違いだ」そう、日本人って自国への評価がすごくブレやすくて極端になりがちなんだと思う。そういえば最近、なぜか日本バンザイなバラエティー番組が増えていて、その無邪気さも怖いな。下巻に続く。2015/03/30

昭和っ子

27
大災害に対して一定の秩序を失わず、我慢強く復興を目指す姿は、やはり賞賛に値する。けれど「脱亜」に成功するも「入欧」に失敗したこれまでの過程の中、唯一の拠り所だった経済も失速気味で、つい内向きになり戸惑っている感のある日本に対して、海外の視点より、様々な角度からの「災い転じて福となす」方向を示唆する。「孤立した島か、世界とつながる島か」の章で示される、日本がかつては「海賊国家」だった(p136)というイメージに魅了される。日本特殊論なんて投げ捨てて、華麗に海洋に打って出る方向を、これから目指したほうがいい。2015/03/01

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