出版社内容情報
母が末期の膵臓癌を宣告されたのをきっかけに、母とわたしが始めた読書会は、わたしたちの人生そのものになった。聖典からミステリまで、本を読むことで通じあう心の交流を描いた出色のエッセイ。
内容説明
母が末期癌だと知ってから、本について語らう2人だけの“読書会”が始まった…最愛の母と過ごした最期の日々を息子が哀惜をこめて綴る。感動が読書の感興に重なる、出色のメモワール。
目次
Crossing to Safety
『サマーラの町で会おう』
「空七十論」
『マージョリーの短き青春』
『ホビットの冒険』
Daily Strength for Daily Needs
『古書の来歴』
“I Am Sorrow”
『やんごとなき読者』
The Lizard Cage〔ほか〕
著者等紹介
シュワルビ,ウィル[シュワルビ,ウィル] [Schwalbe,Will]
ウィリアム・モロー社、ハイペリオン・ブックス社の編集主幹を務め、目下自ら創業したデジタルメディアCookstr.comのCEO。ジャーナリストとして「ニューヨーク・タイムズ」「サウスチャイナ・モーニング・ポスト」などに寄稿する
高橋知子[タカハシトモコ]
甲南大学文学部卒業。英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぶんこ
34
最初は娘だと思っていましたが、次男とのブッククラブでした。母親の活動が凄すぎて、圧倒されました。 そんなハードな生活の中でも、読書をしているのにも脱帽。 親子だけのブッククラブは、羨ましいような、恥ずかしいような。ところでブッククラブというと料理・・との記述がありましたが、アメリカではブッククラブの例会でお料理もするのでしょうか? 読んでる本が、ぜんぶ洋書(当たり前ですが)で、自分が読んだ本はわずかでした。 母も息子も立派、本の感想も難しすぎて、ぐうたら主婦にはアップアップ。斜め読みになってしまいました。2014/07/06
ヨクト
29
癌を患った母親と息子の最期の時までのノンフィクション。共に読んだ本とモカだけの二人だけのブッククラブ。本の感想を共有できるって素晴らしいですよね。それが家族なら尚更幸せですね。本に加え、母親の人生についても語り合い、病に侵されながらもその最期までの時間は濃厚な時だったろう。本は何歳になっても愉しめ、世代を超えて共有でき、人生を豊かにする。それをあらためて感じた。ブッククラブ、憧れますね。2014/06/01
壱萬参仟縁
25
2012年初出。 メンバーふたりのブッククラブ(12頁)。 それもまたありだと思う。 母娘だけでも素晴らしい親子だと思う。 稀に明朝体太字になっている。 最初にすることは、子どものころの話を互いに 披露しあうこと(62頁)。 末期癌で余命宣告されたとはいえ、 死を前にするからこそ、 昔の話を思い出すのは 自分史を娘に伝承する貴重な機会でもある。 母は、ジェーン・オースティン、T・S・エリオット、 ウォレス・スティーヴンズ、エリザベス・ビショップという、 2014/04/13
優希
20
とてもいい本に出会えました。末期癌とわかってからの母と娘の小さな読書会が凄く幸せそうでした。お互いに読んだ本について語り合いながら、今までの人生、これからの人生のこともちゃんと考えているんですね。家族、友人、仕事など、取り巻く環境はいくらでもありますし、これから作れるものも沢山あると思います。でも母と娘の読書会の時間は終わってしまえばもう持てない時間だと思うと寂しくなります。 母娘で同じ本を読んで気持ちを伝えあえるって凄く素敵ですよね。最後に母が読んだ言葉が新約聖書であることに胸を打たれました。2014/02/17
りつこ
16
とても良かった。お母さんがあまりにも立派なのと圧倒的な信仰心を持っていることに、自分はとてもじゃないがこんな風にはなれないぜ、とひがみたくもなるのだが、それでも同じ本を読んでそれについて語りながら、親子で聞きたいことや伝えたいことを伝えるというのは素敵だなぁと思った。読んだことのある本が次々出てくるのも嬉しかったのだが、私があくまでもフィクションとして楽しんだ作品を別の観点から読みといていることに驚きもした。本は人生でなすべきことを知るためのよすがである、という言葉には半分賛成半分反対、かな。2014/01/27