想像力の文学
ミサキラヂオ

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  • サイズ B6判/ページ数 346p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784152090126
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

港町にある小さなラジオ局を舞台に、密やかに生きる人々が交差する、太宰治賞受賞作家の意欲作。

内容説明

半島の突端にあるこの港町には、ここ半世紀景気のいい話などなかった。だが、演劇人くずれの水産加工会社社長が、地元ラジオ局を作った時、何かが少し変わり始めた。土産物店主にして作家、観光市場販売員にしてDJ、実業家にして演歌作詞家、詩人の農業青年、天才音楽家の引きこもり女性、ヘビーリスナーの高校生―番組に触れた人々は、季節が移り変わる中、自分の生き方をゆっくりと見出してゆく。自分勝手な法則で番組と混沌とを流し出す奇妙なラジオ局のおかげで…。港町にある小さなラジオ局を舞台に、ひそやかに生きる人々が交差する、太宰治賞作家の意欲作。

著者等紹介

瀬川深[セガワシン]
1974年岩手県生まれ。東京医科歯科大学医学部卒。2007年「mit Tuba」で第23回太宰治賞を受賞。『ミサキラヂオ』(2009)は初の長篇作品となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ぶんこ

30
引き算の美学に憧れているので、この文章が苦手。 足して足して、更に足していった文章という感じでした。 2015/04/04

tom

9
この作者は好きだ。もっと読みたい。久しぶりだな,もっと読んでみたいと思う作者に出会ったのは。「チューバ」がいいなあと思って,手に取ったのだけど,二匹目のドジョウをつり上げた感じ。この饒舌,あふれる音,登場人物の面白さ,たまらないです。図書館本で読んだのだけど,古本でも買ってきて,いつか,もう一度,読んでみよう。2010/06/05

なゆ

8
すごく好きな感じ。とある港町のローカルなコミュニティFM局〝ミサキラヂオ〟。春、夏、秋、冬の4つの章で、ミサキラヂオに関わる人々の四季と悲喜こもごもを、誰に焦点をあてるでもなく物語られる。中でも印象的だったのは秋の章。リスナーの青年の死をそれぞれに想い、追悼番組が流れる様には、DJタキと共に目をしばたたかせてしまった。そして、やはり音楽やライヴの描写が秀逸!!!脳内に音が湧きあがり、聴衆の熱気すら感じられる。最後2ページの、時間が逆行するかのような奇跡のタイムラグが、何ともいい余韻を残してくれた。2011/09/02

さつき

7
進化の停滞した近未来の片田舎に暮らす人々の日々を、深夜ラジオの混線のように、あるいは番組を次々にザッピングするように、ランダムに掬い上げて紡がれた物語。好きです、すごく好き。特に秋が好きなのですが、ここで中心となっているはずの青年の死には一切の理由が語られず青年の心情も綴られないで、あくまでさほど親しくなかった他人たちの感情と行動を繋いで進んでいく。そもそもこの本全体の中心になるラジオがはらむ不思議が特に解明されず受け入れられているというのが、いいなぁと思います。好きです。他の言葉がなかなか出てこない。2011/11/25

eneo

5
2050年の架空の土地ミサキ。どうしても三浦半島の先端をイメージして読んでしまうが、土着の人、流れ着いた人、老人から若者まで、沢山の登場人物の群像劇が、コミュニティFM局を芯にして繰り広げられる。最初はとりとめがなさすぎる気がしたのに、1年の物語が終わるときには、すべての登場人物が愛おしくなっていた。最後はみんな集まっての大団円。よく作られた物語。未来ものでも奇をてらわないで書ける、というのも面白かった。2010/07/28

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