内容説明
人づきあいが苦手な14歳のジャックは、交通事故にあってから、不思議な体験をするようになった。人が消えうせるのを見たり、奇妙な会話をきいたりするようになったのだ。診察を受けるためニューヨークを訪れたジャックは、グランドセントラル駅で謎の少女ユーリに出会う。そしてユーリといっしょに向かった駅の地下9階、そこは死者の世界への入り口だった!ジャックとユーリは、昔、不慮の死をとげたジャックの母を探そうと決めて、地下の住人に話をきいていく。しかし、おそろしい番人たちが、ジャックを追いはじめていた…ジャックは母と会えるのだろうか、そして無事にもとの世界に帰れるのだろうか?アメリカ探偵作家クラブ賞(エドガー賞)最優秀ジュヴナイル賞を受賞したミステリ・ファンタジーの感動作。
著者等紹介
マーシュ,キャサリン[マーシュ,キャサリン][Marsh,Katherine]
1974年生まれ。ニューヨーク郊外で育つ。イェール大学で英文学を専攻。教員を経てジャーナリストになる。2007年に発表したデビュー作である『ぼくは夜に旅をする』で、アメリカ探偵作家クラブ賞(エドガー賞)最優秀ジュヴナイル賞を受賞した。現在は「ニュー・リパブリック」誌の編集に携わるかたわら第二作の執筆にとりかかっている。ワシントンDC在住
堀川志野舞[ホリカワシノブ]
横浜市立大学国際文化学部卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
鏡也
10
一気読みしてしまった。NYのグランドセントラル駅で出会ったユーリに導かれ、地下の世界へ。そこはゴーストの世界で、亡くなった母を捜しながら冒険。ゴーストの世界は3日間しかいられない。オルフェウスのお話を読んだことがあるなら一度読んでみて欲しいな。2017/02/24
mizuha
10
ギリシャ神話、オルフェウスとエウリュディケの物語をベースに、14歳のジャックが少女ユーリに導かれ、ニューヨークの黄泉の国で過ごす三日間を描くジュブナイル。番人とケルベロスを何とかかわしながら夜のニューヨークで亡きママを探すジャック。 人付き合いが苦手な彼の心の変化やパパとママの秘密がなかなかロマンティック。亡くした大切な人々への想いを持ちながら前向きに生きる。王道だけどそれで良かったんじゃないかな。2014/06/13
inarix
8
人づきあいが苦手。14歳。『変身物語』を翻訳中。そんなジャックは交通事故をきっかけに“ゴースト”を見るようになる。父の勧めでNYの医師を訪ねた帰り、グランドセントラル駅で出会う謎の少女ユーリ。「おいでよ、見せてあげる。地下の世界は別世界なんだから」。ユーリに誘われるまま駅の地下9階へと降りていけば、そこはNYで死んだ者たちが集う黄泉の国の入り口だった。8年前に事故で死んだ母親を探しだし、連れ戻そうとするジャック。それを手伝うユーリ。夜のNY を旅する“ゴースト”たちの少し切ないファンタジー。2014/11/07
セレーナ
6
ジャックは事故に合ってから死者が見えるようになり、ニューヨークの黄泉の国へ3日間の旅に出る。出逢った少女ユーリー。二人は番人の目をかいぐぐり、ジャックの母親を探す。死にたいと思うことももう一度生きたいと思う事も同じ事。逃げたいってことだし、肉体の状態が変わるだけで何も解決はしない。神話を主軸にしてるから結果は明らか。それでも読み進めたくなるし、ちょっと心が軽くなった。10代の自分に読ませてあげたかった物語。2018/12/22
yesod
5
表紙のブルーが綺麗。人嫌いだった主人公が、母と会う目的以外に、友をたすけたいという願いを持つまでになって、元の世界を目指す展開が良かった。神話を元にした設定上仕方ないかもしれないけれど、ハッピーエンドのラスト&完結が良かったかな。2012/06/18
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- ニューヨークの魔法は終わらない 文春文庫