ポアンカレ予想―世紀の謎を掛けた数学者、解き明かした数学者

ポアンカレ予想―世紀の謎を掛けた数学者、解き明かした数学者

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  • サイズ B6判/ページ数 350p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784152088857
  • NDC分類 415.7
  • Cコード C0041

内容説明

20世紀初頭にポアンカレというフランスの万能数学者によって唱えられ、爾来100年、謎のロシア人数学者ペレルマンが現れるまで誰ひとり解けなかった数学史上の超難問とは。飽くことなく難問に挑みつづけた数学者たちのエピソードを追ううちに現代数学の発展が垣間見れてしまう、数学ノンフィクション。

目次

王にふさわしい偉業
ハエにわかってアリにわからないこと
技師は真実を究明する
ポアンカレへの褒賞
ユークリッド抜きの幾何学
ハンブルクからコペンハーゲンへ、そしてノースカロライナ州ブラックマウンテンへ
あの予想の意図
袋小路と謎の病気
高次元への旅
ウェストコースト風の異端審問
消える特異点、消えない特異点
葉巻の手術
四人組プラス2
もうひとつの賞

著者等紹介

スピーロ,ジョージ・G.[スピーロ,ジョージG.][Szpiro,George G.]
スタンフォード大学でMBAを取得、ヘブライ大学で数理経済学の学位を取得。現在はスイス系日刊紙の特派員をつとめる科学ジャーナリストにして数学者

永瀬輝男[ナガセテルオ]
1947年生。1972年東京大学大学院理学研究科数学専攻修了。1978年イリノイ大学よりPh.D.を取得。専攻はトポロジー。現在東海大学理学部数学科教授

志摩亜希子[シマアキコ]
1998年東京大学大学院数理科学研究科数理科学専攻博士後期課程修了。専攻はトポロジー。現在東海大学理学部数学科准教授

鍛原多惠子[カジハラタエコ]
翻訳家。1977年米国フロリダ州ニューカレッジ卒業(専攻は哲学・人類学)

坂井星之[サカイセイジ]
翻訳家。1948年生。名古屋大学農学部卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

syota

22
読了した今でも、ポアンカレ予想とは何だったのかさっぱり分からない…まあ、そもそも位相幾何学を理解しようなどと、だいそれたことは考えていなかったけれど^^; ただ、世紀の難問に魅入られ挫折していった多くの数学者たちのドラマは、ノンフィクションとして迫力十分。功名争いのどろどろした内幕もかなり突っ込んで書いてあって、思わず一気読みしてしまった。「フェルマーの最終定理」でもそうだったが、難問解決は決して一人の天才の手になるものではなく、多くの研究者の業績の積み重ねがあったればこそ、ということを実感。2016/01/19

Jun 1960

5
ポアンカレ予測の表現されている箇所はとにかく難しかった。いや、難しいを通り越して、数式も図もなく、文書で説明されてるからほとんど理解不能。じゃ数式で書かれればわかるのか!と言われてもわからないだろうけど・・ 笑 とはいえ、100年にわたる数学者の格闘の一端がうすぼんやりとわかったような気がする。トポロジー論をも少し読んでみるかな。2013/04/10

きんちゃん

4
 ポアンカレ予想が証明されるまでの数々の数学者が取り組んできたドラマと数学の発展の歴史が詳細に描かれている。ポアンカレ予想それ自体はあまりにも高度な数学の話なので、読み終えた今でもぼんやりと雰囲気ぐらいしかわからない。というよりも、問題自体の意味も分からない相当高度な難問だ。でも、カラビヤウ多様体は自然の理解に欠かすことができないとか、宇宙を形作るとか言われればとてもわくわくしてしまう。2014/03/13

ががが

3
1世紀以上に渡って数学者の挑戦をはねつけてきた数学の難問、ポアンカレ予想がどのようにしてこの世に送り出され、解決されたのかが、トポロジーという数学の一分野の発展とともに語られる。テクニカルな部分はほとんど分からなかったが、面と点と線の関係が空洞の数によることをオイラーが発見したあたりで、これは図形についての考え方の革命だったのだろうということが分かる。ポアンカレ自身の性格が窺える炭鉱のエピソードやペレルマンの数学に対しての清廉なスタンスなど、どうして数学者というものはかくも魅力的な人物ばかりなのだろうか。2023/01/27

Abdiel

2
「三次元球面と同じホモロジー群を持つ三次元多様体は、三次元球面と同相である」というポアンカレ予想。アンリ・ポアンカレからグリゴーリー・ペレルマンまで、ポアンカレ予想に挑み、破れ、解かれるまでの、数学者とトポロジーの流れを描く。非常に平易な文章で、分かりやすく書かれている。数学史として読んでも、トポロジーの概略として読んでも、ポアンカレ予想の伝記的内容として読んでも良いだろう。2008/11/25

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