内容説明
2003年4月のバクダッド陥落後、怒れる民衆がイラク国立博物館に大挙して略奪のかぎりをつくした。失われた数万点の品々は全人類共通の遺産、文明の揺籃というべき5000年前の秘宝であり、値段がつけられないほど貴重なものだ。普段はニューヨークの地方検事補を務めるマシュー・ボグダノス海兵隊大佐は、テロリストへの武器と資金の流れをつきとめて断ち切るための新部隊―FBI、ICE、陸海空軍、海兵隊などさまざまな組織からなる統合超機関調整グループ(JIACG)―の指揮を任され、イラク南部に展開していた。博物館略奪の話を漏れ聞いた彼は、みずからの判断でチームを引き連れて急遽バグダッドをめざす。博物館は激しい戦闘の傷痕をたたえて荒れ果てていたが、ボグダノスは検察官としての長年の経験から、単なる暴徒以外のタイプの犯罪者の痕跡を見出していく。海兵隊員として携えたライフルのほかに、古代への情熱、明晰な思考、そしてまわりの人々に向ける愛情を武器として八面六臂の活躍を見せた著者が、メソポタミアの至宝の数々を取り戻すまでを綴った、知的な冒険に溢れるノンフィクション。
目次
事件の核心
パターン認識
ヘクトールの亡霊
地下世界を訪れる
動員
不合理な一〇番目
脱出と潜入
バビロン
廃墟での生活
首を斬られないために
怒ったウサギに気をつけろ
鍛造された黄金は
軍務はどんなふうに見える?
これが値段を決める
残ったもの
著者等紹介
ボグダノス,マシュー[ボグダノス,マシュー][Bogdanos,Matthew]
海兵隊予備役大佐で、1988年よりマンハッタン地方検事補。法学、西洋古典、軍事戦略に関する学位を持ち、ミドル級ボクサーでもある。ニューヨーク生まれのニューヨーク育ちで、現在もニューヨークで妻と4人の子どもたちとともに暮らしている。2001年9月11日以降の現役復帰でアフガニスタンへ派遣され対テロ活動に従事し、ブロンズスター勲章を受ける。また、本書で詳述しているイラク博物館略奪事件の捜査と、世界中で協力を要請する広報活動が評価され、人文科学勲章を受章した
パトリック,ウィリアム[パトリック,ウィリアム][Patrick,William]
作家。ライター。著書に第一次世界大戦時の米独を舞台とした冒険サスペンス小説Blood Winterがある
嶋田みどり[シマダミドリ]
翻訳家。編集者。国際基督教大学卒。出版社勤務を経てフリーランスに(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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