海外ＳＦノヴェルズ オリュンポス〈上〉

シモンズ，ダン【著】〈Ｓｉｍｍｏｎｓ，Ｄａｎ〉/酒井 昭伸【訳】

早川書房（2007/03発売）

• サイズ B6判／ページ数 518p／高さ 20cm
• 商品コード 9784152088031
• NDC分類 933
• Cコード C0097

内容説明

絶世の美女ヘレネをめぐって始まったトロイア戦争を戦っていたギリシア神話の英雄たちは、圧倒的な力をふるう神々に対してついに叛旗をひるがえした…これまで、地球化された火星のオリュンポス山の神殿に住む神々は、トロイア側あるいはギリシア側につき、英雄たちとともに戦争をしていた。その戦いは、まさにホメーロスの書いた『イーリアス』そのままの展開だった。だが、神々にナノテクで復活させられ、戦争の経過を観察させられていた学師ホッケンベリーの行動が、トロイア戦争を英雄たちの神々への挑戦に変えてしまったのだ。木星の衛星系に住む半生物機械モラヴェックたちは、地球化された火星近傍での量子活動異常の真相を探るべく、調査隊を送りこんだ。やがて、調査隊の一員だったエウロパ属のマーンムートとイオのオルフの活躍で、大挙して火星に到着したモラヴェックの援軍が、英雄たちと手を組み、ともに神々との戦いに挑んでいく。圧倒的な力を持つ神々と戦争をはじめたギリシア神話の英雄たちとモラヴェックの運命は…ローカス賞を受賞した『イリアム』に続く、待望の完結篇。

著者等紹介

シモンズ，ダン［シモンズ，ダン］［Ｓｉｍｍｏｎｓ，Ｄａｎ］
１９４８年生まれ。教鞭をとるかたわら創作をはじめ、トワイライト・ゾーン誌のコンテストで一席に入選した短篇「黄泉の川が逆流する」でデビュー。処女長篇『カーリーの歌』（１９８５）で世界幻想文学大賞を受賞、その後もＳＦやホラーのほか、元私立探偵ジョー・クルツを主人公としたハードボイルド『鋼』など、精力的に作品を発表している。ヒューゴー賞・ローカス賞を受賞した『ハイペリオン』（１９８９）にはじまる“ハイペリオン”シリーズは、英国ＳＦ協会賞・ローカス賞受賞作の『ハイペリオンの没落』（１９９０）と『エンディミオン』（１９９６）とローカス賞受賞作の『エンディミオンの覚醒』（１９９７）とで、四部作をなしており、多数の読者から圧倒的な支持を受けている

酒井昭伸［サカイアキノブ］
１９５６年生、１９８０年早稲田大学政治経済学部卒、英米文学翻訳家（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[わたなべよしお]

事態はどんどん混沌としていく。感想は下巻を読んでからに。

2019/04/06

[ぐうぐう]

『イリアム』の続編。前作に引き続き、神々や半生物機械が登場する『オリュンポス』だが、ユニークなのは、そんな神々や半生物機械達が、人間味に溢れていることだ。性欲に素直で、ジョークを好み、ときにはドジもする。なんとも愛らしく、親しみを感じさせる。と同時に、この世界の謎が少しずつ解明されていくことの興奮もある。並列していたエピソードが交錯し、重なり、溶け合う。どんな結末が待ち受けるのか。さあ、下巻へ。

2014/05/06

[詩歌]

｢イリアム｣の続き。今どういう状態で、これからどうなっていくの？ という不安を抱えながら読み進めるも、一向に埒が明かないが、止める気にもならない！ 作者と読者のこの関係に苦笑。

2014/05/12

[roxy001960]

登場人物が多くて、イリアムの内容を忘れかけてるし…。読むのに時間がかかった。傍若無人な神々や軟弱な古典的人類より、モラヴェックに親近感を覚えます。だんだん収束に向かいつつあるような気はするんだけど、結末は予想がつかない。ギリシャ神話や英文学の素養がないのが返す返すも残念。

2016/07/17

[スターライト]

神々とアカイア・トロイア連合軍が今まさに対決しようとしたところで終わった『イリアム』の続篇。開戦から８カ月たったものの戦いは膠着状態にあり、どちらも決定的な勝利を収めることはできない。ストーリーは、神々の中での紛争とアカイア・トロイア連合軍内での休戦が破られたことにより、各勢力内の争いへと化していく。一方、古典的人類たちはヴォイニックスらの襲撃を受けてしまい、命運は風前のともしび。また五衛星連合から派遣されたマーンムートらはこれらの動きをとらえつつも、自分たちの役割を見出せない。ということで下巻へ。

2011/01/03