内容説明
1865年4月14日、合衆国第16代大統領エイブラハム・リンカーンは、妻と観劇のために首都ワシントンのフォード劇場を訪れた。だがその劇場で、一人の男が大統領を待ち構えていた。男の名はジョン・ウィルクス・ブース。俳優である彼は奴隷解放反対主義者で、奴隷解放を掲げるリンカーン大統領とその政府に反感を抱き、彼を亡き者にしようと企んでいた。ブースの放った銃弾は、観劇中の大統領の頭部に命中。あっけにとられる観客を尻目に、ブースは用意していた馬で一路南部を目指す。だが脱出の際に彼は脚を骨折、逃避行の予定は大幅に狂った。それでも南部に行けば、彼の行動に賛同して住民が守ってくれる、彼はそう信じていたが…。合衆国で最初に暗殺された大統領となったリンカーン。そしてその暗殺犯として名を残したブース。本書はそのブースと、彼の企てに加担した者たちの、政府要人襲撃から逃亡、潜伏、そして最期までを描いたリアリティ溢れるノンフィクションである。
目次
1 「昨夜またいつもの奇妙な夢を見た」
2 「ついにやった」
3 「聖なる血」
4 「われわれは大統領を暗殺した」
5 「暗殺者を捜せ」
6 「おぞましい人間の猟犬たちの群れ」
7 「犬のように狩られ」
8 「わたしにも少しばかりのプライドがあります」
9 「役立たず、役立たず」
10 「とかくこの世はなりゆきしだい」
著者等紹介
スワンソン,ジェイムズ・L.[スワンソン,ジェイムズL.][Swanson,James L.]
弁護士でありリンカーンの研究者。シカゴ大学およびUCLAのロースクールを卒業。政府関係の仕事やシンクタンクのメンバーとして活躍中。歴史、憲法、大衆文化、出版に関して幅広い著述活動をしており、「ウォールストリート・ジャーナル」「ロサンゼルス・タイムズ」「アメリカン・ヘリテージ」などに執筆している。また、2009年に訪れるリンカーンの生誕200周年を記念して企画されている、“エイブラハム・リンカーン生誕200年祭”実行委員会の理事も務める。ワシントンDCに在住
富永和子[トミナガカズコ]
英米文学翻訳家。獨協大学外国語学部英語学科卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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